イラクのクルド兵士、大量にシリア入り
2012年07月24日付 Radikal 紙


トルコのシリアおよび北イラク・クルド自治政府との国境付近で、軍事活動が目撃される中、何千人ものクルド・ペシュメルガがイラクからシリアへ入っている。

内戦が続くシリアで、トルコの南東アナトリア地方との国境に近い地域に住むクルド人が、コバーニー、アフリーン、デリカ・ヘムコを手中におさめたことで勃発した混乱が続いている。トルコのシリア国境にあるスルナク県のジズレ郡とマルディン県のヌサイビン郡の国境付近で軍事活動が活発化している。

ジズレ郡から今日約200台の民間車両の車列によって、ヌサイビン郡へ兵士が送られた。周波数攪乱装置ジャマー搭載の車両が同伴する車列に、空からもコブラ・ヘリコプターが護衛した。コブラ・ヘリコプターは国境線沿いでしばしば偵察飛行を行っていた

■何千人ものペシュメルガがシリアへと入っていった

一方、北イラクのクルド人地域の町ザホを流れるティグリィス川岸のデラ・ビル地区からは、ユニフォームを着た何千人ものクルド人ペシュメルガが、歩きながらシリア側へ渡っている姿を映し出す映像が流出した。

手には武器を持っていないが、こうした光景を見下ろせる丘には、これらの人々を護るための武装した兵士がいるのが見られる一方、携帯電話で撮られたとみられる映像では歩く兵士たちは「カムシュロ(カーミシュリー)へゆっくり向かっています。カムシュロを手に入れるために向かっています」と言っていることが分かる。

北イラクから来たクルド人はデラ・ビル、アンディバル、デリカ・ヘムコのルートを通り、マルディンのヌサイビン郡の向かいにあるシリアのカムシュル市(カーミシュリー)へ向かったとみられる。

■バルザーニ、シリアのクルド人を訓練したことを認める

北イラク・クルド自治政府大統領のマスード・バルザーニ氏は、シリア軍から逃亡したクルド人兵士からなる西クルディスタン出身の若者たちを、あるキャンプにおいて(軍事)訓練したと認めた。北イラクのインターネット・サイト上で行われた発表でバルザーニは、シリア軍が西クルディスタンから引き上げるなか、治安上の空白を埋めるためシリア出身のクルド人が軍事訓練を受けていることを認め、アルビル合意の枠組みの中で設立された高等評議会が承認した場合には、若者らはシリアへ向かうことになると語った。

兵士は現時点で国境を越えていないと説明したバルザーニは、「シリアへは派遣されていない。兵士はまだここ(北イラク領内)にいる。もし高等評議会が承認すれば彼らは行くことになる。もし承認しなければ、状況が明確になるのを待つことになる。なぜなら、この者たちは地元出身者であり、いずれは戻る予定であるからだ」と述べた。

アルビルで2週間前にバルザーニ大統領を議長に、PKK関連組織「民主統一党」(PYD)も加わり西クルディスタン組織連合の枠組みの中で結成されたクルディスタン人民会議とクルド国民評議会は、並みを揃えて活動できるように高等評議会を設立することを決定した。一般に「アルビル合意」として知られる7条からなる合意には、西クルディスタンで防衛軍を結成することも含まれている。

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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:27119 )