シリア、3つのPKKキャンプを容認
2012年07月28日付 Hurriyet 紙


父ハーフィズ・アル・アサドの死後、トルコとの国境にあるPKKキャンプを閉鎖したシリアのバッシャール・アル・アサド大統領は、現在、シャンルウルファ県スルチ郡、マルディン県ヌサイビン郡、そしてハタイ県に近い「カムシュル、イドリブ、アユン・アル・アラブ(コバネ)」地域でキャンプを開くことを容認した。アサド大統領はこれに満足せず、「バホズ・エルダル博士」というコードネームをもつフェフマン・ヒュセインを通じて組織にメッセージを送り、財政的支援をすることを知らせた。

■シリア、3つのPKKキャンプを容認

シリアで父ハーフィズ・アル・アサドの死後閉鎖されたPKK(クルディスタン労働者党、非合法組織)キャンプが、トルコ―シリア間の緊張状態のために、13年の時を経て再び開かれ始めている。バッシャール・アル・アサド シリア大統領が「財政的援助」を約束したPKKは、3つの異なる地域に再びキャンプを設置した。シリアに200人いると見られているPKK党員は、キャンプ設置後1000人に増加した。

■4つのキャンプが閉鎖された

シリアにおける最近の危機的状況により、国で13年前に閉鎖されたPKKキャンプの活動再開がもたらされた。父ハーフィズ・アル・アサドの死後、シリアとトルコの国境に設置されていた4つの主要なPKKキャンプは、息子のバッシャール・アル・アサドが政権についたことで閉鎖された。トルコとシリアの二国間関係は、互いの歩みよりにより強化され、行われた合意によりビザなしの渡航が可能となった。さらに、2カ国のリーダーはしばしば一同に会し、世界に友好関係をアピールした。

■アサド大統領から支援の約束

しかし、シリアがここ一年で内戦に引きずり込まれていること、そしてトルコがアサド大統領に対立する態度をとっていることが、この国でのPKKキャンプ再開の原因となった。トルコに対し、PKKを利用しようとしているアサド大統領は、13年後シャンルウルファ県スルチ郡、マルディン郡ヌサイビン郡、そしてハタイ県に近い地域である「カムシュル、イドリブ、アユン・アル・アラブ(コバネ)」地域にキャンプを開くことを容認した。トルコの情報機関が得た情報によると、キャンプ設営のためPKK上層部の「バホズ・エルダル博士」というコードネームをもつフェフマン・ヒュセインとタカ派のムスタファ・カラス氏を通じて組織に情報を送ったアサド大統領は、財政的に支援することを約束した。PKKがイラク北部からシリア入りすることを望んだアサド大統領は、あらゆる要求に応えることを明らかにした。アサド大統領が国内に存在する混乱状態から脱するための新たな試みにおいてPKKの幹部に任務の約束をしたという情報も届いた。

■「軍事教育」への招集

この合意を受けてここ3ヶ月で800人のPKK党員が特にイラク側の国境からシリアに入った。当該地域におけるPKK党員数が1000人に上るなかで、食料、その他の必要物資がシリア政府によって供給されるということが情報機関に届いた情報からわかった。シリアにおけるPKKの支部組織、民主統一党(PYD)は、その地域に暮らすクルド人をPKKキャンプで軍事教育受けさせる目的で招集した。また、トルコ国境と検問所で、任務に就く人たちに対し金銭が支払われるというメッセージが広められた。シリアに入ったPKK党員らは、トルコと相互に行われていた国境密輸に関し、地域に支払所を設け、税の名で金銭を集めることを始めた。

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( 翻訳者:細谷和代 )
( 記事ID:27156 )