シリア外相がイランを電撃訪問
2012年07月30日付 Jam-e Jam 紙


 シリアのワリード・アル・ムアッリム外相が昨日、テヘランを電撃訪問し、イラン当局者と会談した。12時半頃に政府高官団の団長としてイラン入りしたムアッリム氏のスケジュールには、イランのアリー・アクバル・サーレヒー外相、及びサイード・ジャリーリー国家安全保障最高評議会書記との会談が組まれていた。

 シリア外相とサーレヒー外相及びジャリーリー書記との会談では、二国間関係、シリア情勢、地域・国際情勢などを軸に話し合われた。この訪問は、シリア、特に同国で最も人口の多い都市アレッポで戦闘が続き、コフィー・アナン国連シリア問題特使も同市における大規模な戦闘の勃発に警告を発するなかで行われたものである。

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 ワリード・アル・ムアッリム外相は〔‥‥〕サーレヒー外相との共同記者会見で、イラン当局との協議の結果について、「イラン当局との協議は建設的なものであった。われわれは再度、認識を共有していることを強調し合った」と述べた。

 メフル通信の報道によると、シリア外相は「現在シリアで拘束されているテロリストたちはどの国から来たのか、またシリアはこれらのテロリストたちにどのような処分を科すつもりか」との質問に対し、次のように回答した。「国境を通ってシリアに入ったテロリストたちについて言っておかねばならないのは、彼らの一部はトルコ国境から入国し、一部はリビアやチュニジアから、またエジプトやレバノンからシリアに入ってきた者もいるということである」。

 アル・ムアッリム氏はまた、サウジアラビア、カタール、及びトルコは西洋諸国とともに、シリアへの陰謀の片棒を担いでいるとの見方を示し、シリアは一部の地域からの武装勢力の一掃に向け、強い決意を抱いていることを強調した。同氏はその上で、「一部のアラブ諸国とともに、イスラエルもシリアに対する陰謀の背後に控えている」と明言した。

 ムアッリム氏は自国民を守るだけの高い国防力がシリアにはあると指摘した上で、「われわれはレバノンの安全保障の保持に関心を抱いている。兄弟たち〔=レバノン〕には、武装した人間や武器のシリアへの流入を阻止して頂きたいと考えている」と語った。

 同氏はまた、武器を〔当局に〕引き渡した武装勢力は、もしその手が市民や隊員らの血によって汚れていない場合、釈放されるだろうと強調した上で、「シリア政府はアナン案を実行に移した。他方、カタール、サウジアラビア、及びトルコには、シリア内政への干渉を止めるよう期待する」と述べた。

 シリア外相はその上で、「たとえシリアでの戦闘が停止され、安全と安定が確立されたとしても、陰謀は終わらない。なぜなら、イスラエルこそ〔内戦の〕扇動者であり、残念なことにペルシア湾岸の一部のアラブ諸国が、この国とともに陰謀の立案に歩調を合わせているからだ」と言明した。

アラブ諸国はアサドにチャンスを与えるべき

 他方、イランのアリー・アクバル・サーレヒー外相もこの記者会見のなかで、シオニスト体制を筆頭とする一部の国がシリア政府に対して陰謀を企てていると指摘した上で、「シオニストたちは率先して、シリア政府の排除と同国の状況の混乱を画策している」と述べた。

 サーレヒー外相は、「シオニスト体制がシリアに対してこのように敵対的立場を取っているなかで、一部の地域諸国が同体制と完璧に同調するようなスタンスを見せるとは、驚くほかない」と述べた上で、「シリアの人々のなかには、変革を起こそうとして蜂起した人もいるかもしれない。シリア政府も彼らのこうした正当な要求に対して、応える用意があると表明しているのだから、政府にチャンスを与えるべきだ」と続けた。

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:27209 )