Cevdet Askin コラム:PKKのハッキャーリ・チュクルジャ線上要塞同時襲撃の意味するもの
2012年08月07日付 Radikal 紙

チュクルジャで5日に行われた攻撃は、PKK(クルディスタン労働者党・非合法組織)の指導者カラユランが「目標はボタン・ザグロス地域である」と示唆した計画の第二ステージが始まったことを示している。

■アンカラ

ドアン通信社の報道によれば、PKKはハッキャーリとチュクルジャを結ぶ幹線道路沿いの、ハッキャーリ郡内にあるゲチムリ軍警察詰所、チュクルジャ郡カラタシュ詰所とダルシンキ高原にある軍の基地に対し一昨日の夜、同時襲撃をおこなった。
アブドゥッラー・ギュル大統領は、この襲撃についてツイッターのメッセージで「テロ組織はこのラマザン月に無謀にも軍事作戦を実行に移した。これを許さないためにも治安部隊が対抗策を講じ、激しい戦闘に入っている」と説明した。

■PKK

PKKの軍事組織である人民防衛軍(HPG)は、チュクルジャで19か所の異なる地点の軍警察詰所と軍の基地に向けて攻撃をおこなったと主張した。フラト通信社の6日付の報道によれば、同組織から出された声明で、「革命的軍事作戦の第一段階が終了した」と述べられている。
PKK最高司令官のムラト・カラユランは金曜日(3日)に行った会見で、「我々の計画は話せないが、今のところ、シェムディンリとチュクルジャを制圧することが目的ではない」と述べた。フラト通信社の報道によれば、カラユランは(トルコ)国境内35キロに拠点を築いたと主張し、「重要なのはシェムディンリだけでなく、すべてのボタン・ザグロス地域(の制圧)がねらいである」と話した。

■この展開は何を示しているのか

PKKが5日の夜に行った同時攻撃は、カラユランの声明に沿った形となっていることから、同組織が主張する地域を支配下に置く計画が進行していることを示している。
HPGの声明で言及された「第一段階」は同組織の新戦略にもとづく攻撃であるのに対し、「第二段階」は攻撃後、その地域の拠点化を意味している。
したがって、シェムディンリの後、同組織はチュクルジャ周辺に拠点を築く必要、別の表現でいうなら、第二のシェムディンリの状況にそなえ準備をする必要がある。
カラユランが目標として選んだ地域に関する彼の発言をよく見ると、数日中に同組織がウルデレで、さらにはユクセクオヴァで攻撃をしかけることも不思議ではない。
8月5日以来、問題の地域での攻撃の主導権はPKKにあり、トルコ国軍(TSK)の行動は、形勢を逆転させるような反撃といった状況にはなっていないことがわかる。

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:27283 )