8日現在―銅メダル1つ、落胆のオリンピック
2012年08月08日付 Yeni Safak 紙

16の競技に114人のスポーツ選手が参加したロンドン・オリンピック大会であるが、成果を上げられず帰ろうとしている。現在までに銅メダル一つだけを手にしたトルコは(メダル獲得)国別順位で最下位にいる。

2012年ロンドン・オリンピックでトルコは最初のメダルをレスリングで獲得し、銅メダルに輝いた。この結果としてオリンピックに参加した国(メダル獲得国)の中で69番目として最下位につけた。銅メダル一つでクエート、プエルトリコ、シンガポール、トリニダードトバゴ、ウズベキスタンと並んだトルコであるが、レベルが高まり、支援が与えられ、そして多くの願いがあったにも関わらず何故、成果を上げられなかったのかが問われている。大きな夢が破れる舞台となった2012年ロンドン・オリンピックで、トルコは最初のメダルを一昨日、獲得することが出来た。7月27日に始まった大会が閉幕するまで残りわずかな日数となり、手にした銅メダルによりトルコは「メダルを一つだけ獲得した国々」の中に含まれた。獲得したメダルは「銅」であり、114人のスポーツ選手が大きい希望と共に参加したオリンピックで、トルコは(メダルを獲得した国の中で)69か国中最下位につけた。トルコと共に一つの銅メダルを獲得した国々にはアルゼンチン、サウジアラビア、クウェート、プエルトリコ、香港、カタール、シンガポール、トリニダードトバゴそしてウズベキスタンがある。現在のところ、キプロス共和国(キプロス・ギリシャ政府)、マレーシア、アルメニア、グアテマラ、そしてタイのような国々でさえトルコより上位である。

■選手は増えたメダルは減った

トルコは2004年のアテネ大会以来、これまでの3大会に248人のスポーツ選手が参加し合計19のメダルを獲得した。アテネ大会で66人、2008年の北京オリンピックで68人の選手が参加し、2012年ロンドンへ大会では選手の数は114人に達し過去最多を記録した。今年、オリンピックに参加した選手に報奨金として授与された金貨の価値はちょっとした財宝のようだ。共和国金貨60枚は4万トルコリラ(約180万円)に相当し、大会に参加した全選手にロンドンへ行く前に支払われている。もし残るわずかな日数でトルコ選手のうち誰かが金メダルを手にすれば、この選手へはさらに共和国金貨2000枚(約6000万円)が授与される。残るわずかな日数でメダルが獲得される可能性があるとしても、トルコが(今回のオリンピックで)失敗したという現実を変えることはできない。

■北京では5000万TL(約22億円)が

青少年スポーツ総局がオリンピック準備のため選手に割り当てた予算は、驚くべき額である。北京オリンピック前に選手の準備のために5000万TLが割り当てられたことが明らかにされている。オリンピックに参加したスポーツ選手に与えられる報奨金だけでなく、競技の際に与えられる旅費等の経費も問題である。各スポーツ選手に約2000TL(約9万円)が支払われたと言われている。2012年ロンドン・オリンピックへ費やされた金額は2008年北京オリンピックで支払われた5000万TLをも上回ると言われている。

■スタートでつまずき良い流れをつくれなかった

これまでの3回のオリンピックで選手団長を務めた前青少年スポーツ総局長のメフメト・アタライ氏は各競技で良いスタートを切れなかったことが影響していると述べた。「初めに良いスタートを切れなければ、波に乗ることはできない。こうした悪い状況は、その後に影響を及ぼし、パニックにつながる。この意味でロンドン・オリンピックではパニックが起こってしまったと考えている」と述べたアタライは、以下のように続けた。「今は良いスタートを切れなかったことは忘れ、ロンドン・オリンピックでの失敗も忘れましょう。競技は続きます。まだまだメダルの可能性はあります。メダル候補の選手たちはまだ競技しています。彼らはサポートをうけ、士気を高める必要があります。彼らの士気を盛り上げましょう」。

■経済では成功したが、スポーツでは・・・

トルコのロンドン・オリンピックでの失敗について検討を重ねているスポーツライターのオカイ・カラジャン氏は経済発展のスピードがスポーツに反映されずに、夢破れたと語った。「トルコは近年、政治・経済的成長の点で国際的にみれば西欧諸国を上回っている。ゆえにスポーツでの失敗はより明確にトラウマを引き起こしてしまった」と言うカラジャン氏は、今までのオリンピックにおいても失敗があったことを指摘しながら、以下のように述べた。「今日のトラウマの主要な原因は、この失敗にトルコ国民が慣れていないことだ。スポーツ選手育成における問題点は、青少年スポーツ総局と国民教育省が協力し合うことで解決できる。これと並行して都市計画に携わる者たちも選手育成にふさわしい施設を設けるべきだ。都市が大きくなるにつれ、スポーツ施設は狭くなっている。事実、パリ、ミラノ、ロンドン、ミュンヘンといった都市では、都市の拡大と共にスポーツ施設の数も増加している。わが国の都市は、大きくなるにつれ、コンクリートジャングルへと変わっている。また優秀な選手を集めることに望みの綱をかけるトルコは、7300万人もいる人口をあてにすればよい。我々はオリンピックの後で、襟を正してもう一度良く考えるべきである」

■ボクシングでも残念な結果

2012年ロンドン・オリンピックでボクシングのトルコ代表としてメダルを狙っていたバフラン・ムザッフェル、ヤークプ・シェネルそしてセルチュク・エクレル同様、ファーティ・ケレシュもこの目標を達成していない。トルコのボクシング選手もロンドンで残念な結果に終わっている。

■やっとのことで銅メダルのトルコ

銅メダルを獲得したレスリング選手ルザー・カヤアルプは、ロンドン大会でメダルを手にした最初のトルコ人選手となった。120kg級レスリングで戦ったカヤアルプのこの成功のより、トルコはメダル獲得国の一員になった。銅メダル一つしか獲得していないため、ランキングでは最後尾である。

■安易に期待しすぎていた

イェニ・シャファク紙のスポーツ記者アルペル・トゥンガ・アルバイラクは、選手の精神・肉体的な未熟さが失敗の主要な原因であると述べた。「安易に期待しすぎていた」というアルバイラクは、「私はメダルがプレッシャーになったり、スポーツ選手が期待に押しつぶされたとは思いません。元々わが国にはメダルを獲得できる選手は、わずかしかいませんでした。さらに残念なことに彼らも期待された成果を上げることはできませんでした」と言った。トルコのスポーツ選手育成の文化を改革することも必要であると述べるアルバイラクは、スポーツ選手は若いうちに「勉学かスポーツか」という選択を迫られる。このために教育を受けたスポーツ選手の育成が妨げられている。スポーツ選手に必要な環境を整え、そのあとに期待を膨らませることが必要だ」と話した。

■さえない柔道、レスリング

オリンピックで柔道に出場した唯一の女性選手ギュルシャフ・コジャチュルクはウクライナのライバル、イリーナ・キンドゼルスカの前になすすべがなかった。レスリング、グレコ・ローマン74キロ級に出場したセルチュク・チェビもスウェーデンのライバル、ロベルト・ローゼングレンに負け、メダルのチャンスを逃した。

■6回出場しメダルゼロ

2012年ロンドン・オリンピックでトルコ代表として出場した水泳選手デルヤ・ビュユクンジュは、6回出場したオリンピックでまったくメダルを獲得できず、不名誉な前人未到の記録を作った。競泳男子200メートル背泳ぎに出場したビュユクンジュは、3人が競った第一レースで一位だったにも関わらず、あとわずかのところでベスト16入りを逃した。ビュユクンジュはこのように6回目のオリンピックに参加したが、35人の選手中、33位でレースを終えた。27年間、トルコ代表として戦ってきたとするビュユクンジュは、満足で誇りに思うと述べ、支援が得られるなら7度目の大会にも出場できるだろうと述べた。

■フェルペスをほめたたえる

オリンピックで19個目のメダルを獲得し、歴史に名を刻んだアメリカの水泳選手マイケル・フェルペスの偉業をたたえたビュユクンジュは、「本当に史上最高のオリンピック選手だと思います。なぜなら、今日まで15個の金メダルを獲得したのです。これほどの金メダルに対しては言葉もありません。彼は私の友達であり、いつも話していますし、私は彼を讃えています。彼も私に賛辞を送ってくれています」と述べた。

■「スルタンたち」の努力は不十分だ

2012年ロンドン・オリンピック大会でトルコへ最も興奮をもたらしたのは「ネットのスルタンたち(訳者註:女子バレーボールのナショナルチームのニックネーム)」である。準々決勝まで進んだが、バレーボール代表はアメリカに敗北した。

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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:27293 )