Fikret Bilakコラム:シェムディンリで続くPKKとの攻防
2012年08月08日付 Milliyet 紙

シェムディンリでは2週間以上衝突が続いている。PKKはシェムディンリを占領しようとこの攻撃を仕掛け、それに対し治安部隊が制圧を続けている。この間、政府サイドからは詳しい情報は発表されていない。シェムディンリへの出入りも規制されており、記者達も入ることはできない。
この状況下でCHP(共和人民党)調査団はシェムディンリに入り、市民や関係者と対面し、現状を把握しようと努めた。
私は、昨日CHP調査団のうちイズミル選出議員のアラッテティン・ユクセル氏とお会いした。ユクセル議員と現地の様子について話しをうかがっていた際、議員は次のような情報を提供してくれた。

■シリア人もイラン人もいた

「まずこれを言わなければならない。この事件にはシリアとイランの姿も見え隠れする。そのためさまざまなところに飛び火する可能性がある。たとえば県知事、軍警察司令部と警察本部からの情報によれば、シェムディンリを攻撃したPKKのメンバーにはシリアやイラン出身者もいる。治安部隊は5名のPKK兵士の死体を調べたら、一人はチュクルジャ出身、もう一人はシュルナク出身であることが判明した。そして残り2人がシリア人で1人がイラン人であることがわかった。このことからわかるように、シェムディンリ付近のPKKキャンプ地にいるシリアとイラン出身のPKKメンバーの数はかなりのものである。

■市民を扇動

ユクセル議員が得た情報と調査によると、PKKはシェムディンリ郡で市民を扇動し、治安部隊と衝突させようとしたが失敗に終わった。議員の調査報告は以下の通りである:
「関係者は私たちに、PKKは市民にまぎれこみ、村の中に入り込んでいると明らかにした。これらの場所から攻撃を仕掛け、市民を治安部隊と衝突させようとしたらしい。しかし市民からの協力は得られなかったようだ。彼らは潜入した場所を去って行ったらしい。現在わかっている範囲では、今回の攻撃の目的はシェムディンリを手に入れ、市民に「支配権はPKKにある」とのメッセージを伝えるためであった。しかし治安部隊の攻撃によって失敗に終わったらしい。シェムディンリ周辺の10つの村落のうち6つの村の住民らは、激しい攻撃をうけ村を捨てたらしい。残りの4つの村の住人は、女性、子供を避難させたらしい。


■攻防は続く

ユクセル議員は、シェムディンリ滞在中も衝突は続いていたことを述べ、次のようなことを明らかにした:「私たちがシェムディンリに着いた時に、衝突は町の中心地近くで続いていた。頭上を弾丸が飛び交っていった。ヘリコプターが一台飛んで行っては、戻ってきていた。近くで武力衝突の音が聞こえていた。

■なぜ終わらないのか?

2週間以上衝突が続いている理由についてユクセル氏に尋ねたところ、以下のように答えた。
「長引いている理由は、まず最初にPKKのメンバーが市民の中に紛れていることだ。他にも重要な理由があり、それはこの地域で国境がコントロールされていないことである。シェムディンリはPKK のハクルクとハフタキャンプにとても近く、そこに逃げこんで、再びやってくることも可能である。地理的状況がこれを可能にしている。一つのグループがキャンプに逃げれば、また別のグループが新たにやってくる。さらに、テロリスト達はドチカ(ロシア製の対空砲)のような重火器を使用している。自分たちの陣地で軍事抵抗を示し、自陣に容易に逃げることができ、すぐに新しいグループを送り込むことができる。

■150人のテロリスト、500人の兵士

ユクセル議員は、掃討作戦に加わっている兵士の数とテロリストの数について、公式に発表している数は現実とは異なっていることを明らかにした。「報道では軍事作戦に2500人の兵士が加わっており、PKK側も300-500人のグループであると報じられている。この数字は現実を反映していない。私たちが関係者から得た情報によればPKKは100から150人、多くても200人のグループである。また兵士の数は500から600人の間である。

■市民の願い

ユクセル氏は、シェムディンリの市民や市民団体の関係者と対面し、彼らの要望を伝えながら、以下のように語った。「昔はCHPのバッジをつけて、このあたりを歩き回ることはできなかった。今回はシェムディンリ郡でもハッキャーリ郡でも市民は私たちを歓迎してくれている。市民たちには失業や貧しさに関する不満があるが、なによりも、彼らは平穏な状況を望んでいる。皆『平穏を望む』と言っているのだ。多くの市民が、この問題はCHPが解決できると語っていた。『この件はあなた達が解決するのです。かつて統一や統合を成し遂げてくれたのはCHPである』と彼らは述べている。我々に期待を寄せる一方で、『80年間どうして解決できなかったのだ?」と批判もしていた。市民団体メンバーも一言、「私たちは平和を望んでいる、それに向けてやるべきことをやらなければならない」と述べていた。ケマル・クルチダルオールCHP党首が提唱していたように、4つの党が一堂に会し、解決策を探るために、身を捧げる準備はできている」

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( 翻訳者:小幡あい )
( 記事ID:27295 )