ドイツ極右団体、モスク前で排斥デモ―ベルリン
2012年08月19日付 Milliyet 紙


ドイツの首都ベルリンで、極右政党であるプロ・ドイツ市民運動が、3つのモスクの前で預言者ムハンマドの肖像画を掲げ、デモを行った。野党および左派団体も、辻々で極右派を追うかたちで、極右派の主張に反対するデモを行った。ベルリン警察の警戒により事故等はなかった。

ドイツの首都ベルリンで、昨日(18日)、極右派によるデモと、イスラム嫌悪・人種差別主義に反意を示す人々による反対デモがみられた。かつてデンマーク人イラストレーターによる預言者ムハンマドの風刺画が問題となったが、極右政党プロ・ドイツ市民運動は、その風刺画をプラカードに使用する許可を先週ベルリン行政裁判所から取ったうえで、ラマザン月最終日にベルリンのノイケルン区、ウェディング地区の3つのモスクでデモを行なった。一方、プロ・ドイツ市民運動の「イスラムはドイツに関係ない。イスラム化は終わり」というスローガンを掲げた抗議活動に反意を示す多くの団体も、17件のデモを開催した。デモをコントロール下に置くため、ベルリン警察から1800人が配備され、対立する団体が鉢合わせないよう、膨大な労力が費やされ事件の発生が防がれた。

■左派による反対デモ

プロ・ドイツ市民運動が数週間前から発表していたデモの日が近づくと、イスラム嫌悪に反対する多数の団体や野党社会民主党、左翼党、緑の党、海賊党も 反対デモを行なうためベルリン警察に届け出た。これを受けベルリン警察は、ノルトライン=ヴェストファーレン州とバイエルン州へ暫定部隊を派遣するため、彼らに警戒態勢となるよう通達。また、ムスリム組織の指導者たちも、「挑発に乗らないこと」、「反対デモにも参加しないこと」を会員らに呼びかけた。首都に生まれた緊張がエスカレートするなか、ベルリン州内務大臣フランク・ヘンケル氏も「挑発に対して冷静に」と述べた。

■保安通路

プロ・ドイツ市民運動の100名近い参加者は、12:30に最初のデモ地点であるウェディング地区アッサバハ・モスクに向かってまっすぐに行進を開始。同時に社会民主党と左翼党も反対デモのためモスク前に到着した。警察は50メートルにおよぶ保安通路を設置して両団体を分断した。プロ・ドイツ市民運動の参加者数名はモスク前で預言者ムハンマドの風刺画を掲げ、対する社会民主党と左翼党が、極右集団に「ナチスども」と叫んだ。同時に、ノイケルン区のエルヌー ル・モスクとダラッサラーム・モスクの前でもデモが始まった。別の左派2団体も、反対デモのためノイケルン区の各通りに出発した。プロ・ドイツ市民運動のメンバーはここでも預言者ムハンマドの風刺画を掲げて見せた。市街地では150名からなるグループが、さらにシャルロッテンブルグ地区でも600名からな るグループが極右派に対し反対デモを展開した。

■ドイツ各紙はイラスト非掲載

デモの写真には、2005年にデンマークのユランズ・ポステン紙に掲載され問題となった預言者ムハンマドの風刺画が映っている。ドイツで最高部数を売り上げるビルト紙や、南ドイツ紙、ベルリン紙は、それらの写真を掲載しなかった。一方、保守系のディ・ヴェルト紙、ベルリンの別大手ターゲス・ シュピーゲル紙はその写真をインターネットサイトで使用。フランス通信社(AFP)とゲッティ・ニュースはその写真を使用した。

■人種差別主義殺人のベアテ容疑者 起訴の用意

ドイツでは、テロ組織「国家社会主義者地下組織(ASU)」のメンバーとしてトルコ系8人を含む計10人を殺害したとされるベアテ・チェーベ容疑者に対し、秋に裁判が行われる。南ドイツ紙が訴状の内容について報じた。それによればチェーベ容疑者は、組織の支援ではなく、殺人10件、および強盗14件について裁判を受ける予定だ。

■トルコへの帰国希望者増加

独InfoGmbH調査会社がトルコ系少数民族の動向を把握するアンケートを行なった。その結果によれば、ドイツ社会への同化を望む人の割合は8%増加し、78%となっている。一方で、ドイツを故郷と認識している人の割合は15%に下落。トルコへの帰国希望を述べる人の割合も42%から45%に増加した。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:27391 )