キプロス富豪アスィル・ナーズィルに英裁判所・禁固10年、「裁判は私のおもちゃ」
2012年08月23日付 Radikal 紙


キプロス系トルコ人実業家のアスィル・ナーディルは、詐欺罪で訴えられた裁判で、10年の禁固刑を言い渡されたことに関し、「我々はどんなに苦労してきたことか。裁判は我々にとっておもちゃだ」と述べた。

アスィル・ナーディルは、自らが経営しているポリー・ペック・インターナショナル(PPI)から3400万ポンドを横領したという訴えを受けて行われた裁判で、10年の禁固刑を言い渡された。

この裁判を担当したホルロイド裁判官はナーディルを「優秀で成功した実業家」と述べ、「この会社の成功はあなたの成功だ。しかし、その会社の資金はあなたのものではなかった。これを分かっていながら自分をかばい、貪欲に資金を盗んだ」と話した。

1987年から1990年にかけてロンドンで社長を務めていたPPIから資金を横領したという訴えにより13の罪に問われているナーディルは、これらのうち3つの罪で無罪となったが、10の罪で有罪と判決された。裁判官は審理で、会社の倒産の原因がこの実業家ではないことは明確であるが、ナーディルはこの件において 重要な要素であると述べた。アスィル・ナーディルを「会社を拡大し、世界中で何千人もの雇用を創出した立派な実業家である」と評する裁判官はナーディルに対し、会社から送金された資金が現在あるべき場所になく、問題となっている盗まれた資金がナーディル本人や家族の支出のために使われていたと判断するに至ったと述べた。

ナーディルの弁護士であるフィリップ・ハッケットは、この実業家が2010年に疑いを晴らすために自発的に英国へ戻ったことを指摘し、彼は69歳で健康状態がよくないにもかかわらず、17年後に自分の意志で英国へ戻ったことにも注目すべきだと述べた。

ホルロイド裁判官は、「優秀で成功した実業家」と評するナーディルについて、訴えのあった10の罪を踏まえ、10年の禁固刑を言い渡した。ロンドン近郊のベルシャム刑務所に収容されているナーディルは、近いうちに別の刑務所へ移送される予定である。

■ヌル・ナーディル:夫は無罪です。

アスィル・ナーディルの28歳の妻ヌル・ナーディルは、判決が発表された後、裁判所前で待ち構えた報道関係者に対し書面で発表を行い、控訴すると述べた。ヌル・ナーディルは、「英国の裁判制度を信頼し、間違いを正す努力を続ける」と話した。英国のマスコミが注目したこの裁判で、ヌル・ナーディルは多くの記者団に対し夫が無罪であると呼びかけた。アスィル・ナーディルは、健康状態、年齢、良好な服役態度などが考慮されれば、刑期の半分を終えて釈放される可能性がある。

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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:27431 )