ドルマバフチェ宮殿に爆発の危機?
2012年08月26日付 Milliyet 紙


クビライ・カプタン教授は、「ドルマバフチェ宮殿の換気スペースが詰まり、メタンガスが侵入し始めた。下水道から出る何千トンものメタンガスは、ドルマバフチェ宮殿の下にある時限爆弾だ」と話した。

アタテュルクが人生最後の時を過ごしたドルマバフチェ宮殿が、崩壊の危険にあることが分かった。クビライ・カプタン教授は、「ドルマバフチェ宮殿の換気スペースが詰まり、メタンガスが侵入し始めた。下水道から出る何千トンものメタンガスは、ドルマバフチェ宮殿の下にある時限爆弾だ」と話した。

アイドゥン大学の災害教育・応用・研究センターの所長であるクビライ・カプタン准教授は、ドルマバフチェ宮殿の構造上の安全性に関する報告書を作った。報告書では、アタテュルクが晩年を過ごした宮殿が大きな危険のもとにあることが示された。報告書では、ドルマバフチェ宮殿崩壊を招く5つの大きな危険因子が確定された。以下がそれらの危険因子と、報告書の注目すべき部分である。

■ホテルの建設、リスク増す

ドルマバフチェ宮殿と海軍博物館の間にある歴史的なタバコ倉庫の跡地には、一つの石も残っていない。その建物は第3保存委員会によって2005年に、「文化遺産」に登録されていた。しかしこの歴史的建造物は、同委員会の14の異なる決定によって取り壊された。そこに、14階建てのホテルが建設された。最も近くにある歴史的建造物の高さは18メートルなのに対して、新しいホテルの高さは24メートル以上だ。地下7階の建物の建設は、地上14階になると計画された。

■床にヒビができた

地下工事は、宮殿のコレクション博物館、芸術ギャラリーとして使用されている建物、マトバーフ・アーミレにおけるヒビの原因となった。国家宮殿局は、150年前から使われている建物で、様々な時代に地震を経験したにもかかわらず、今までいかなるひび割れや不具合もなかったことを強調し、「建物では一時期、細いヒビができ、ブロックの壁とコンクリートの床にできたヒビが、修理のあとも続き、隣の区画で行われた建設作業によって、防ぐことのできないリスクが生じ、起こりうる崩壊が死亡事故や博物館コレクションの喪失の原因になりうる」ことを、委員会や関係する自治体に知らせた。しかし、この申告にもかかわらず、建設は地下7階まで行われた。

■メタンガスの蓄積

ドルマバフチェ宮殿の歴史的な換気スペースは、2年前に作られた下水道の失敗のため、完全に詰まり、メタンガスが侵入し始めた。宮殿がある地区から広がる悪臭の原因の調査が行われる一方、トルコの重要な文化遺産であるドルマバフチェ宮殿が、メタンガス爆発の危機に直面していることが明らかになった。歴史的建造物の換気管は、金角湾の下水管が二年前に故障したことで、下水で満たされ始め、現在、この換気管は完全にふさがれている。地下でぎっしり詰まり、下水道から出る何千トンものメタンガスは、まるでドルマバフチェ宮殿の地下にある時限爆弾のようなものだ。

■大型タンカーによる振動

大型タンカーの通行は、特にドルマバフチェ宮殿に「地震」のような影響を与えうるものであり、ボスポラス海峡における風の影響で、石油によるいかなる火災も、海岸にある歴史的建造物の保護を不可能にしうる。

■新イノニュ・スタジアムによる圧迫

イノニュ・スタジアムの拡張、底面の下降や上昇は、スタジアム自体だけでなく、ドルマバフチェ宮殿の海側からの景観にマイナスの影響を与えうる。

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( 翻訳者:菱山湧人 )
( 記事ID:27458 )