サイーディー師「体制の正統性は人民の票によってもたらされるとする考えは逸脱」
2012年09月03日付 Mardomsalari 紙

 革命防衛隊最高指導者代理のサイーディー師は、情報技術が人々の間の関係に多大な影響を及ぼしていると指摘した上で、「今日、状況は大きく変わった。社会の新たな変数と知的レベルに応じた議論が必要だ」と述べた。

 イラン労働通信の報道によると、革命防衛隊最高指導者代理のホッジャトルエスラーム・アリー・サイーディーは、革命防衛隊イスラーム研究所の新旧所長の退任・着任式のなかで、「イスラーム革命の勝利に先立つ100年間の、〔世界における〕思想やその問題について知ることが重要だ」と強調し、さらに「ローマ法王庁やキリスト教会が宗教について誤った規定・理解を示してきたことが、ヨーロッパにおける反宗教的な潮流形成の原因となってきた。宗教者の誤った行動によって、取り返しのつかない結果が生まれるのだ」と付け加えた。

 同師はさらに、「人間が物質に囚われることは様々な問題を生じさせる、というのがイスラームの見方である。しかし〔近代の〕国家の在り方に影響を与えてきたのは、物質主義や宗教の排除といった考え方だった」と続けた。

 同師は人間学の分野について言及し、「ダーウィンやフロイトの理論を拒絶したことは、イスラーム教徒のウラマー(宗教学者)たちが入り込んでしまった、最大の問題の一つであった」と述べ、さらに次のように指摘した。

イスラーム文明と西洋文明の間の競争、イスラームの目覚めと蜂起、〔マルクス主義やイスラーム主義といった〕様々なモデルの間の争いといった問題が、〔1979年の〕イスラーム革命を受ける形で生まれてきた。イスラーム共和国の事例が示しているのは、〔同体制が人間の〕本性に沿うものであり、そのことが〔同体制の〕大いなる成功の原因となっている、ということである。

 同師はまた、情報技術が人々の間の関係に多大な影響を及ぼしていると指摘、「今日、状況は大きく変わった。社会の新たな変数と知的レベルに応じた議論が必要だ」と述べた上で、〔イスラーム共和国が〕直面している諸問題について言及し、「もし研究者たちが新たな領域についての知見を深めようとしなければ、それは病気を、それとは無関係な薬で治療しようとするのと同じことを意味する」と語った。

 サイーディー師は、「〔イスラーム共和国が世界に対して提起すべき〕問題としては、宗教と発展の関係、その秩序付け機能、そして宗教的統治体制の本質と他の統治モデルとの違いなどが挙げられるだろう」と述べつつ、宗教的統治体制における国家の正統性など、あらゆる問題は人民の票をその源とするとする見方を一部が示していることについて、「こうした考え方は逸脱したものである。社会契約はわれわれの行動原理とはなり得ない」と指摘した。

 同師は「宗教的統治体制における人民の役割とその本質もまた、〔イスラーム共和国が〕直面している問題の一つである」とし、「ヴェラーヤト〔イスラーム法学者の統治、ここではイスラーム共和国体制〕のもとにおけるイマーマ〔指導者の資格〕とガイバ〔イスラーム共同体を指導すべきイマームの不在〕、そして統治の関係、ならびに預言者のもとにおけるそれとの同一性について、深く考究することが必要だ」と述べた。

 同師はその上で、こうした問題についてあらゆる階層、特に革命防衛隊員が説明できるようにしておくことが必要だと強調し、「預言者との比較における《イスラーム法学者の監督者》〔=最高指導者〕の権威と権限について、また〔国家〕目標に到達するための〔国の〕仕組みについて研究することも、極めて重要だ」と述べた。

〔‥‥〕

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:27505 )