日土関係: トルコを通じて地域に進出
2012年09月02日付 Zaman紙


トルコにとって日本は「遠くて近い国」である。この友好関係は1890年に600人近いオスマン軍の兵士が殉職したエルトゥールル号事件で始まる。

両国はここ数年、友好関係だけでなく、外交、経済においても結びつきが強くなってきており、2国間関係を確信的に発展させている。外交における接近と大きく重なるトルコ・日本間の経済関係は今後ますます深まるだろう。日本の高官たちは本紙を日本へ招き、トルコとの関係をどのように見ているのか、潜在的な協力分野などの多くの話題について我々に語った。

両国の関係が深まった最も大きな印は双方の往来の増加である。2003年は「日本におけるトルコ年」が祝われた。両国関係の発展の加速はタイイプ・エルドアン首相による2003年の日本訪問で始まる。日本の小泉首相が返礼として2006年にトルコを訪問すると、2008年にはアブドゥッラー・ギュル大統領が日本に歴史的な訪問をする。その後皇太子徳仁様がトルコを訪れる。エルトゥールル号事件から120年目の2010年には「トルコにおける日本年」として多くの催しが開かれる。今年は玄葉光一郎外務大臣が国際会議のため二度にわたりトルコを訪れる一方、ここ2年間でトルコから日本へ10回程の訪問が行われた。

山根隆治外務副大臣は「私たちの関係の発展ほど自然なことはない」と述べ、語り始めた。トルコには目覚ましい経済成長と共に外交における開放と自信が見られると強調する。副大臣は次のように続けた。「2国間の政治的な関係は良かった。現在両国のトップの見方は変わった。往来は増えている。今では以前より多くの情報を共有し、協議を行っている。こうなると、両国関係の発展は至極当然だ。これはウィン・ウィンの原則に基づいたアプローチである。トルコは自信ある国になった。これらの事全てが両国をお互いに近づけている。」同外務副大臣はトルコの国民の楽観主義も強く強調している:「トルコで人々に会うと、非 常に楽観主義と希望が見受けられる。これは私たちが経済成長をしていた時代のような楽観主義である。この楽観主義は私たちを動かし、奨励する重要な要素で ある。」

2007~2011年に駐アンカラ日本大使を務めた田中信明氏はトルコを熟知する人物の一人だ。田中氏は、1890年のエルトゥールル号事件で両国 の良い友好関係が始まったと述べ、「以前は相互の肯定的な感情だけがあった。もはや新しい物語を書くときである。もはや地理や国境は何の意味も持たない」と語っている。田中氏はトルコの政治的・経済的安定を強調している。エルドアン首相には良い経済担当グループがいると述べる中、アリ・ババジャンの名を強調す る。田中氏によると、両国関係が急速に発展した主な要因は以下の通りだ:トルコの若い人口、経済成長の速さ、(そこからの)4時間のフライトで十億人もの人々にたどり着ける地理的な位置。

■トルコ語が分かる外交官が20人以上

外務省の中東・アフリカ局の福岡秋文氏はトルコの発展を見てきた。2年間トルコ語の授業を受けた後、2006~2010年の間アンカラで勤務した。日本の外務省で外国語は非常に重要である。トルコ語が分かる外交官が20名以上いる。トルコへは経済的な点で比較的多くアプローチがおこなわれている。しかし憲法改正やクルド問題のようにトルコ政治における重要な議論も注目されている。若い外交官は、日本でトルコに対する関心が急速に増していると語る。2つの旅行雑誌の トルコ特集ページを見せる。去年起こった津波の被害のためトルコ政府が行った援助により、トルコへの親近感が増したと述べる。

■トルコは日本人にとって戦略的な拠点

日本は約5.5兆ドルのGNPで、アメリカと中国に次ぐ世界第三位の経済大国である。しかし絶頂期と比較すると日本経済は大きな不況にある。財政赤字は日 本政府を悩ませている。日本企業は新たな市場に進出し、この苦境を乗り越えようとしている。人口の若さや経済成長によりトルコはこの市場の中でもトップに 来ている。日本人をトルコに近づける本当の要素はその周囲の幅広い市場である。日本の大企業が加入する最大の経済団体、経団連の国際関係部門のタケハラ・ レイジ氏は「成長する地域に接するトルコはこの地域に進出するための重要な中心拠点である。」イズミト湾架橋を建設する伊藤忠商事の研究・開発部長のオハラ・シュンイチ氏は「トルコの位置はすばらしい。EU、中東、コーカサス、北アフリカに接している。ここから15億人の人々にたどり着ける。トルコがこれらの地域と良い関係を築いていることも魅力だ」と語った。

経団連は日本最大の経済団体である。経団連のタケハラ氏は「政治的な安定によりトルコは力強く経済成長している」と言って語り始める。タケハラ氏によ ると、人口の増加や購買力の大幅な増加、若く有能な労働者はトルコへの投資の重要な要因だ。しかし本当に重要なのは、経団連がトルコを「一つの戦 略的な拠点」として評価しているということだ。タケハラ氏はこのことを次のように説明している:「周囲の発展する経済に対してトルコから簡単にアクセスすることができる。トルコと日本は第三国で共同投資をすることもできる。トルコはこの地域と文化的に近く、ビジネスの経験もある。積極的な外交によりトルコは地域で影響力を増している。トルコはこれらの市場の生産拠点になり得る。」

日本の外務省の山根隆治副大臣も「企業はトルコへの投資を望んでいる」と述べ、日本の銀行3行がトルコで事務所を開こうとしている段階にあり、そのうち一つは銀行業の許可を申請したと明かしている。山根氏は発行部数460万で日本の有力紙の一つである日経新聞がイスタンブルで事務所を開いたと述べ、「これらには意味がある」とのメッセージを送っている。山根隆治氏はトルコを通じたこの地域への進出について重要な例を挙げている:「イスタンブルで7月5日に両国はイラ クでの共同投資に関して会合を開いた。」トルコの駐東京大使のセルダル・クルチ氏も日本側に「トルコの国内市場だけに目を向けるのではなく、起点として使ってください」とのメッセージを送ったと語っている。

■日本の天皇陛下にトルコ学校について説明

トルコの駐東京大使のセルダル・クルチ氏は、「特別な友好関係」と評価する日本との関係が近いうちにさらに発展すると信じている。クルチ氏は、日本のトルコに対する肯定的なとらえ方が経済にももっと反映されるべきだと考えている。今年、大使となったクルチ大使は2か月前に日本の天皇陛下にプロトコールに則り茶会に招かれた。クルチ氏は拝謁の際、去年起こった地震と津波に対するトルコから日本への援助について天皇陛下に説明した。日本にあるトルコ学校にも触れたという。セルダル・クルチ氏はホライゾン・ジャパン・インターナショナル・スクールの新たな支部を、去年津波により最も大きな被害を受けた仙台市に開いたと伝えた。学校の開校式に自ら参加したクルチ大使は、地震の被害を受けた学生たちには奨学金が支払われることにも日本の天皇陛下の前で言及したそうだ。天皇陛下はトルコの友情と援助を賞賛したという。

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

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(翻訳者:南澤沙織)
(記事ID:27511)