ヴェラーヤティー最高指導者顧問「抵抗戦線の命脈はシリアにかかっている」
2012年09月05日付 Mardomsalari 紙

 最高指導者上級顧問のヴェラーヤティー氏は、「〔対イスラエル〕抵抗戦線の命脈は、アメリカや西洋のフィトナ(イスラーム世界の分裂を誘う陰謀)に対してシリアが耐えられるかどうかにかかっている。なぜなら、同国は抵抗戦線の《黄金の鎖》の一環をなしているからだ」と述べた。

 「記者クラブ」が伝えたところによると、アリー・アクバル・ヴェラーヤティー上級顧問はイラン国営放送海外支局報道責任者らとの会合で、次のように述べた。「イラン・イスラーム共和国がシリアの内政に立ち入ることは決してないだろう。なぜなら、同国の最終的な意志決定者はシリア人民であるからだ。よって、我が国がシリアを支持するのは、中東における抵抗戦線の防衛・後援を目的としているのである」と語った。

 ヴェラーヤティー氏は続けて、「抑圧戦線は抵抗戦線の弱体化を狙っている」と指摘した上で、「シリアは抵抗戦線の《黄金の鎖》の一環をなしている。よって、もしこの鎖が崩壊するようなことになれば、レバノンの南部でイスラーム的抵抗の命脈を保つことは不可能になってしまうだろうし、イラクは北部からダメージを被ることになろう。イランもパレスチナの国境地帯への足がかりを失ってしまうだろう」と続けた。

 最高指導者上級顧問派また、反動的なアラブ諸国がシリア問題で破壊的な役割を担っていることを指摘した上で、「今日シリア問題に介入し、同国で危機を煽ろうとしている国々は、同国のことにも、抵抗戦線のことにも共感しているわけでは決してなく、むしろ抑圧戦線とシオニスト体制の手先となっているにすぎない」と明言した。

 ヴェラーヤティー氏はアメリカがバッシャール・アサド体制の瓦解を企てていることに触れ、「アメリカは自身の特殊な民主主義をシリアで実現させ、域内における自国の政策の支持者となってくれるような政権を、中東諸国に就かせることを狙っているのだ」と続けた。

 同氏はその上で、「イラン・イスラーム共和国がシリアを支持するのは、地域の利益を基本とした戦略的な事情によるものである。今日のシリア情勢は、極めて重要かつ地域全体〔の安定・利益〕にかかわるものであり、我が国はシリア問題をはじめとする中東情勢に対して、無関心ではいられないのである」と明言した。

 同氏はまた、「シリアの将来は平坦なものではないだろう。現在最も重要なことは、シリアの領土の一体性の維持・強化を目指すことである。シリアの未来は希望に満ちたものではあるが、しかし最終的な勝利を手に入れることは極めて困難であろう」と指摘した。

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
関連記事(ヴェラーヤティー氏「シリアは東西冷戦の起点」)

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:27530 )