カナダ大使館閉鎖に対するイランの反応
2012年09月09日付 Mardomsalari 紙

【政治部:パルヴィーン・ターレビヤーン】イランと欧米・アラブ諸国との冷えきった外交関係は悪化の一途をたどっているが、EU諸国、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、トルコに続いて、今度はカナダに〔イランとの関係緊張化を決断する〕番が回ってきた。カナダは代理大使級の外交関係を打ち切ることを決定したからだ〔※〕。このニュースは金曜日、カナダ外務省によって発表され、多くの反応を引き起こした。もちろん、こうした措置はイスラエルへのよき奉仕行為として、分析可能である。

※訳注:なお、ここの文章は素直に読めば、「EU諸国、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、トルコに続いて、今度はカナダに、代理大使級の外交関係をゼロにする決断を下す順番が回ってきた」と読めるが、しかし昨年在テヘラン大使館を閉鎖したイギリス以外に、そのような決断を下した国はないことから、何らかの言い間違いと判断し、このように訳した。

 どの国の外交関係にも、各国独自の原則・規則というものが存在する。イランの外交政策は次の8つの原則の上に成り立っている。すなわち、「計画・政策立案においては政治的独立を強調し、実行すること」、「国際関係においては、〈政府〉よりも〈国民〉および〈運動〉を優先すること」〔※1〕、「経済的な対外関係からの政治的な対外関係の自律」〔※2〕、「イスラエルに対する闘争とパレスチナ人民運動の支援」、「各国政府との関係においては、政治的な正義を重視すること」、「政治的大国の利害から戦略的に距離を置くこと」、「国際連合における拒否権という差別的な取り決めと闘うこと」、そして「政治的な力や外交政策というものの、信念上の本質を忘れないこと」の8つである。

※訳注1:例えば〈パレスチナ自治政府〉との関係よりも〈パレスチナ国民〉ないし〈パレスチナ解放運動〉との関係を優先する、という意味。
※訳注2:経済的利害によって外交関係は影響されない、という意味。

〔‥‥以上の原則にしたがって、イランはイスラエル及び欧米諸国と対立してきたこと等が解説される‥‥〕

イスラエルはカナダを歓迎

 イスラエル首相は、カナダによる在テヘラン・カナダ大使館の閉鎖と、イランとの国交断絶の決断を歓迎した。AFPによれば、ベンヤミン・ネタニヤフは声明を発表し、次のように述べた。「今回の勇敢な決断に関し、カナダのスティーブン・ハーパー首相に祝辞を伝える。今回の措置はイランや全世界に明白なメッセージを送ることになるだろう」。〔…〕

 ネタニヤフはさらに、「今回のカナダの措置は、イランの核計画を阻止するために、同国に対して明確なレッドラインを設けるべきだという、国際社会に対する〔我が国の〕要求と相通ずるものでもある。国際社会はこうした圧力行使に加わり、イランに対して明確なレッドラインを引くべきである」と付け加えた。

カナダの主張に対するイランの反応

 ラーミーン・メフマーンパラスト外務省報道官はカナダ外務省の発表を受けて、「イラン国民ならびにカナダ在住のイラン人社会に対するカナダ政府の数多の敵意ある措置には、在テヘラン・カナダ大使館のビザ発給部門の閉鎖や同国在住のイラン人の銀行口座の凍結、カナダで学ぶイラン人学生への送金の禁止などが含まれている」と指摘した。

 メフマーンパラスト氏はその上で、「人種主義的な現カナダ政府による敵意に満ちた行動は、実際シオニストやイギリスから命じられた政策に追従するものである」と付け加えた。

 外務省報道官はさらに、「その一環として、カナダ政府はテヘランでの非同盟運動首脳会議の開催中止に向けて、大々的に取り組んだが、〔非同盟運動に加盟する〕各国ならびに国際的な著名人らがそれを無視したため、失敗に終わった」と続けた。

 同氏はまた、「カナダ政府による在テヘラン同国大使館の閉鎖は、ハーパーによる反イラン政策の延長線上にあり、非同盟運動首脳会議の成功とは対照的な同政府の明らかな失敗に、同政府が慌てふためいてしまった結果であると見なすことできる」と指摘した。

〔‥‥〕

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

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( 翻訳者:8410068 )
( 記事ID:27579 )