Fikret Bilaコラム:トルコ軍の士気と成功
2012年09月11日付 Milliyet 紙

トルコは約30年間テロと戦っている。テロとの戦いは精神力(士気)がものをいう。命をかけて、昼も夜も、夏も冬も、山も坂も、都市も村も問わずにテロと戦っている兵士や警官たちの、最も重要な力は精神力である。これは自明であり、テロリストグループはまず第一に治安部隊の精神力を揺さぶろうとするのである。テロリストグループの流血を伴うテロ攻撃の一番のターゲットはこれである。可能な限りメディアを通して声明を発表し、自分達の仲間を鼓舞し、治安部隊の精神力を揺さぶること。このため、テロとの戦いにおける責任者がまず目を光らせるべきは、兵士たちと警官たちの士気を高めることである。これは政治家たち、軍の高官そして官僚にも同様に言える。

■トルコ軍の精神力(士気)

トルコ軍(TSK)は長い間、「ターゲット」となっていた。トルコ軍に対して長い間組織的な誹謗中傷の運動が行われてきた。世論におけるトルコ軍への信頼をなくし、軍関係者の士気を低下させるために、内外からの心理的攻撃がなされている。世界のいかなるテロ組織も、トルコにおいてほど政治やメディアの協力が得られるところはない。こうした点で、世界中で一番恵まれているテロ組織はPKKである。

軍や警察をテロ組織のように描き、テロ組織を無実の集団であるかのように描くプロパガンダのメカニズムが、近年影響力を持って動いている。これに加え、参謀総長を含めた軍司令官、大将、中将クラスの軍高官が何か月、何年も「拘束され裁判にかけられる」というシステムが常態化することで、士気を保つことが困難になるような状況が生まれている。さらに、テロ組織の攻撃のたびに殉職者が増えることで、トルコ軍や司令官は激しく責められ、信頼を失わせようとする試みも加わっていく。

■トルコ軍の成功

もちろん、どの組織にもあるようにトルコ軍にも間違いはある。いかなる人間も組織も間違いは犯す。テロとの闘いでも、当たり前だが法を無視することや、法を逸脱することは認められない。法を無視し、過失を犯した者は、その責任から逃れられない。しかし、トルコ軍の成功も帳消しにしてはならない。昨日参謀総長が、トルコ軍がどのようにテロリストと戦い、どのような結果を得ているのかについて説明を加えながら発表した。参謀総長が昨日伝えてくれた情報でもわかるように、トルコ軍は、正規軍とテロ組織との戦いという文脈において、世界でもまれに見る成功を収めた。テロとの戦いにおける好例とされるのは、こうしたことからである。

PKKは内外から支援をうけ、北イラクで有利な諸条件をえているにもかかわらず、30年間自分達の目的を達成できずにいる。80年代後半、90年代初めから狙いとしてきた、居住地の獲得・解放区の創出を実現できずにいる。
治安部隊の立派な戦いのおかげで、それは実現ははばまれてきた。
PKKと彼らを支持する政治勢力やメディアが、トルコ軍と警察の士気を削ごうとするのは当然のことである。しかしトルコ共和国との問題を有していない層が、知ってか知らずして、同じように行動し、同じターゲットを打つことは、テロ組織や外部の協力者たちの術策に陥ることである。政治組織は、まず第一にテロ組織と戦っている治安部隊を、山で命をかけて戦っている兵士や警官たちの士気を考えるべきである。

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( 翻訳者:小幡あい )
( 記事ID:27582 )