エジプト:上院がIMFからの借款を支持
2012年09月13日付 Al-Ahram 紙

■シューラー議会(=上院)はIMFの借款を支持

2012年9月13日 木曜日 『アル=アハラーム』

【カイロ】

 昨日(12日)、アハマド・ファフミーを議長とする上院の議場では、1月25日革命以降の移行期における諸障害に対処することを目的とした、40億ドル規模のIMFからの借款について、全ての政治勢力と政党の間で長い議論、および包括的な政治的・経済的課題(についての論争)が起こった。というのも、エジプトの経済は大きな障害に直面しているからだ。その中で最も顕著なものは、3.3%の割合で上昇した貿易赤字、5310億ポンド増加した財政赤字、1兆ポンド以上の国債の累積、 1月25日革命以前の430億ドルから約410億ドル近く減少した外貨準備高、革命以前の7%に対して3%まで後退した経済成長、がある。この議題は、タイムール・アブドゥルガニー・アッ=サーディク議員と20人以上の議員から提出された要求に従って提示されたものである。各々の議論は、仮にこの借款がエジプト経済が停滞から抜け出すための即効性の代替案として必要だったとしても、将来頼ることのできる国内の資源もある。そのような資源は、様々な段階で借款額を超える収入を充足し、将来の世代に自分のせいではない借金の負担をさせないための資源である。借款問題は、開発の行方に影響を与える問題である。

 ムムターズ・アッ=サイード財務相は議会向け声明の中で、「ほとんどの予算資金は給与、各福祉サービスに充てられるため、投資には25%以下しか残らない。さらに、それらの予算資金は開発、上昇しつつある失業の規模を吸収することに役立たない。」と発表した。
さらに同財務相は、「この不均衡への対処は、一時的な借款による方法で実現可能である。なぜなら、その代替案は財源の緊縮をすること、さらなる緊縮財政をとることであり、緊縮策には定額所得を得ている者に悪影響がある。」と強調した。

同財務相は、「政府はマネーロンダリングされたカネや国内外から持ち逃げされたカネを取り戻すために措置を行っている。それは、これらのカネを財政赤字の処置、外貨準備の消耗を止めること、各国民層の要求に対処すること、基本的資源の輸入に必要な資金、石油製品や原材料などの主要な生産物原料の輸入に充てるためだ。」と述べた。そして、「3億4200万ドルが海外からの石油製品輸入のために調達された。それは消費の需要にこたえるためだ。この金額は借款制度によって調達されたものである。というのは、この金額を調達するため即時に利用可能な現金はないからだ。」と指摘した。

(後略)

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

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( 翻訳者:西舘康平 )
( 記事ID:27592 )