イラク・米国間貿易協定に対する批判
2012年09月19日付 al-Hayat 紙

■イラク・米国間貿易協定に対する批判

2012年09月19日 水曜日 『アル=ハヤート』

【バグダード:ナスィール・アル=アリー】

2005年にアンマンで署名され、数日後にイラク議会で承認される予定のイラク・米国間の貿易協定について、イラクの国会議員たちは同協定がイラク側に対し米国産製品への関税・租税の全面的撤廃を義務付けるものであると明らかにした。以前のイラク議会は、留意点が多く存在することを理由にイラク政府が提出した諸法案の承認を拒否しており、その中には米国との国際協定や了解覚書等があった。

本紙は今回の貿易協定法案の草稿の完全な写しを入手した。そこでは、同協定の主要な目的は、イラク経済の復活、民間部門発展の努力援助、イラクを再び経済的に国際社会へ組み込む事に加え、両国間の友好的の絆の強化、貿易の活性化、外国からの投資強化、貿易に関する諸問題の解決等であると記している。また複数の条項は、イラクが貿易上の障壁を全て撤廃することになると述べている。これは、両国市場への到達や特別なメリットの享受を円滑化し、いわゆる二国間の貿易解放へと到達するためである。

イラク議会投資委員会のヌーラ・サーリム委員は本紙に対し、イラクと米国が同協定により「イラク・米国貿易評議会」を組織するだろうと述べた。この委員会は両国の代表者らにより構成され、少なくとも2年に1度定例会を開く。またサーリム委員は、同評議会の任務が貿易活動や投資の監視・観察、貿易活動に立ちはだかる障壁の特定し、それらを除去する活動であると明らかにした。またサーリム委員は、複数の条項について留保が存在すると指摘し、この留保が同協定の有効性に影響を与えないものであったとしても、現段階におけるイラク議会の任務は条項の修正ではなく承認に限定される、と述べた。

またサーリム委員は、米国に貿易上のメリットを与えることにより、他国が同様の協定の締結を提案する事を促進するだろうと強調した。また、イラクが関税・租税から莫大な収入を得る事を妨げる可能性も指摘した。同委員は、「本協定の主要な欠点は、方程式の両側が商業・工業力の観点から同等でない事だ。本協定は米国側にとって経済的利益をもたらすであろうが、イラクは米国に輸出するものを有していない。」と述べた。

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( 翻訳者:川上誠一 )
( 記事ID:27640 )