ハージーザーデ司令官「敵にはイランとの戦争を制御することなどできない」
2012年09月24日付 Jam-e Jam 紙

 革命防衛隊宇宙航空部隊司令官は、イランとの戦争は制御不能であり、この戦争が第三次世界大戦に発展する可能性もある、つまり複数の国がイランの敵・味方に分かれて戦争に突入することもありうる、との見方を示した。

 ファールス通信の報道によると、アミール・アリー・ハージーザーデ司令官は〔イラン国営放送のアラビア語衛星チャンネルの〕アル・アーラム放送とのインタビューの中で、敵の脅威について、「基本的に、イランとシオニスト体制、あるいはアメリカとの戦争は、それ単独のものとして想定することはできない。つまり両者〔=イスラエルとアメリカ〕のいずれかが戦争を始めれば、他〔の国や勢力〕も戦争に参加することになるだろう」と語った。

 同司令官は、次のように付け加えた。

アメリカとシオニスト体制は完全な協力関係にあると、われわれは考えている。シオニスト体制がアメリカの支援なしにこのような戦争を始めるとは、われわれにはまったく想定できない。それゆえ、戦争が起きた場合には、われわれは両者と戦争をすることになるのは確実である。〔もしイスラエルが戦争を仕掛けてきても〕われわれはアメリカの基地と戦闘をすることになるだろう。

 ハージーザーデ司令官はさらに、「このような状況になった場合は、制御不能な事態が発生するだろう。この戦争が第三次世界大戦に発展する可能性もある」と続けた。

 ハージーザーデ氏は、戦争が起きた場合に備えてイランが想定している、想像を越えるようなシナリオの数々について指摘した上で、「戦争が始まれば、我が国の近隣周辺諸国にあるアメリカの基地は〔イランの攻撃の〕標的となるだろうし、〔アメリカに基地を提供している〕こうした国々に住む住民からも、間違いなく脅威に晒されるだろう」と強調した。

 同氏は、地域にある某米軍基地で米軍機6機が破壊された事件や燃料を積んだタンカーが攻撃を受けた事件、あるいは米軍兵士が地域住民によって殺害された事件など、先週起きた事件について触れた上で、次のように述べた。

こうした出来事は、われわれが誰とも戦争をしていない状況下で起きたことである。しかし想像してみて欲しい、シオニスト体制がわれわれと戦争状態に入ったにもかかわらず、アメリカはこの戦争に参加しない、などということがありうるだろうか。あるいは地域の住民がアメリカと対峙しないなどということが、ありうるだろうか。このようなことは、まったく想像不可能であり、この戦争は速やかに地域全体を覆うことになるだろう。

 ハージーザーデ氏はその上で、「戦争が起きた場合、地域諸国は中立を宣言するだろうなどと想像してはならない」と強調した。

 同氏はアル・アーラム放送とのインタビューの続きで、「われわれはこれらの〔米軍〕基地を、必ずや標的にするだろう。なぜなら、われわれはこれらの基地をカタールやバーレーン、アフガニスタンの領土ではなく、アメリカの領土の一部であると見なしているからだ」と述べた。

 同氏はその上で、「われわれの考えでは、これらの基地はアメリカの領土としての地位を有している。もしわれわれが戦争をすることになれば、必ずやこれらの基地を攻撃することになるだろう」と語った。

〔‥‥〕



※訳注:この記事には書かれていないが、別の報道(ターブナーク)によると、ハージーザーデ司令官はこのインタビューの中で、「イラン・イスラーム共和国の戦略では、戦争や侵略を始めることについての定義はなされていない」と前置きした上で、「彼ら〔=イスラエル〕が戦争に向けたあらゆる準備を行っている状況では、侵略される前に、われわれが先手を打つこともありうる。私はこのことを否定しない。ただし現在、地域の戦術的・作戦的状況が、例えば彼らがわれわれを明日にも攻撃しようと考えている、といった状態にあるとは、われわれは考えていない」と述べた、と伝えられている。

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:27692 )