EUのトルコ支援に、英メディア怒りの批判キャンペーン
2012年09月24日付 Milliyet 紙


EUの外国支援がまたしてもイギリスで議論されている。イギリスメディアは、トルコへの6億2000万ポンド(約781億円)の支援金の一部がEU関連のテレビドラマに使われていることを強烈に非難した。

イギリスでは、EUの支援プログラムにおいてトルコに払われた支援金と、この支援金の一部があるドラマ企画に使われたことが主要議題となった。英の保守党議員はEUへの支払いが、英国民の税金を中~高レベルの財政状況のよい国にばらまいているという現実を見直すことを要求した。英の保守党議員は自身のお金がトルコや中国、ロシア、アイスランド、ブラジルに使われていることに不満を抱いている。パウリン・ラトハム保守党議員も、「世論は自分達のお金がトルコ や中国、ロシアといった国々に送られていると知れば憤慨するでしょう。」と話した。ジャスティン・グリーニング国際開発大臣は議員達の反応の高まりに伴い、行われた支援を見直すことを明らかにした。

■トルコに6億2000万ポンド

英国会議員達の批判の焦点となった国の筆頭はトルコであった。なぜなら記録によればEUは2011年にトルコに6億2000万ポンド(180万リラ)の支援を行っているからである。この数字よりトルコはEUの支援プログラムの中で一番の被支援国となったのである。英国メディアは、トルコで支援金が使われてる企画の中にEUを紹介するテレビドラマがあると主張した。ある国会議員はこの状況を「喜劇」と特徴づけた。主張において問題となっているドラマの名前は公表されていない。その一方でトルコのEU省はというと、トルコにそれだけの金銭的支援が行われていることを知らなかったと話した。問題のドラマはTRTで放送され、初回ゲストにエゲメン・バウシュEU大臣のが登場した「ヨーロッパ・ヨーロッパ」というドラマだと考えられている。

■デイリーメール紙、批判運動開始

国会議員にはメディアも協力した。英国で発行されているデイリーメール紙は、支援とは必要性のある国々にのみ行われるものであるにも関わらず、中国やロシア、ブラジル、アイスランドといった国々が、世界中の最も貧困な国のための支援の恩恵を受けていることを強調した。同紙はクロアチアへの支援が1億 2000万ポンド(約151億円)であるのに対して、アフリカのマリには1350万ポンド(約17億円)の支援が行われていることを批判した。話題となっている国々は「裕福」であるため、英国人は支援金の減額を望んでいる。EUの支援金の一部は以下のことに使われた。
・サンクトペテルブルクでのアートプロジェクトへの24万ポンドを(3000万円)を含む合計40万ポンド(約5000万円)がロシアに支払われた。
・国立公園での観光活性化のために40万ポンドがアイスランドに送られた。
・中国に合計3000万ポンド(約38億円)が支援された。
・200のユースホステル経営者の教育を行うためのホテル建設費として支援金180万ポンド(約2億3千万円)がバルバドスに使われた。

■ブリュッセルは「声をあげよ」と呼び掛けるつもりでいる

EU委員会はトルコの「報道の自由」に関する実績に満足しておらず、この件を放置する気はない。EUは表現と報道の自由がこれまでよりも更に制限されたと考えており、トルコと東バルカン諸国が参加予定のある会議で、再び「声をあげよ」と呼び掛けるつもりでいる。
トルコの表現の自由の適用が非常に悪化し始めたことに対して、2011年3月に初めて開かれた「声をあげよ」会議の、第二回が2013年の前半に開かれる予定である。トルコが7年間続けているEU加盟交渉にも関わらず、このような会議でバルカン諸国と同じ位置付けのままなのは、アンカラ政府の表現と報道の自由に関する評価報告が芳しくなかったという、別の重要な指摘の現れである。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:百合野愛 )
( 記事ID:27695 )