Firet Bilaコラム:ギュル大統領からの警告
2012年10月02日付 Milliyet 紙

議会の第24会期第3立法年の初日に国民議会でアブドゥラー・ギュル大統領による演説が行われる直前、我々は与党、野党のもとへ足を運んだ。与党側ではみな笑みをこぼしていた。昨日の党大会の余韻が残っているようであった。与党側ではエルドアン首相も閣僚や議員と談笑しており、和やかな雰囲気であった。一方野党側は、議会初日にエルドアン首相に対する問責請求をするにあたって慌ただしい空気に包まれていた。本紙の記者達を昼食に誘ったコジャエリ選出のフルシト・ギュネシュ議員も含む野党第一党の幹部らは問責請求の準備と新立法年の開始のため準備をし ていた。

■リーダー達に態度改善の警告

与党、野党第一党双方へ立ち寄った後、我々はギュル大統領の演説へと向かった。ギュル大統領は短く、また警鐘に満ちた演説を行った。大統領はまずはじめにリーダーとしての素質について述べた。大統領は政治のリーダーには、お互い思いやりを持って接することを指摘した。お互いを排除し、遠ざける意識を除くこと、「言葉の力」を忘れないよう提唱した。また、昨今リーダー達が訴訟沙汰とするまでの厳しい態度をとっており、このツケが、この先想像を絶する域に達しうると警告した。

■逮捕中の国会議員

ギュル大統領は国会議員が勾留のままであることに対してはっきりと警告を告げた。「選出されたのにもかかわらず、この立法年に議会を出席していない議員達は 、この議会の中の欠陥であると明らかにしたい」と述べ、野党側から拍手が起こった。また、議会で行われた法修正に対し、議員の逮捕を無効としない司法に(問題を)送ったとして、「選挙に合法的に参加し、民意を得て、国会議員の資格を得たすべての者は、自身につき司法による最終判断が下されるまでは、立法行為に参加する必要があると考えている」と述べ、司法の判断を待つと述べた。

■BDPへ警告

ギュル大統領は、平和民主党(BDP)議員に対してはっきりと警告を告げた。大統領は、国会議員の宣誓の、「国の存在とその独立、祖国の分断なき統一、国民の無条件かつ無制限の主権」の箇所を読み上げ、この宣誓に忠誠を誓い続けるよう望んだ。 テロ行為と民主主義はいかなる状況でも手を組むことはないとし、BDP議員に「テロを擁護し、讃え、合法化することに寛大な民主主義は世界には存在しない」と述べた。

■不逮捕特権の撤廃

ギュル大統領は、BDP議員がPKKメンバーと抱擁したことを非難するとともに、不逮捕特権の撤廃に反対していることを示唆した。

大統領は、すべての問題解決の場として国民議会が存在しているとし、「議会を成り立たせる上で発生するあらゆる欠陥は、過去の出来事を再発する以外の何ものでもない」と述べ た。ギュル大統領は、これに関連して、1994年に民主党(DEP)議員が不逮捕特権を除かれ、服役させられたことは誤りであり、この誤りを繰り返さない必要があると発言した。

■EUの強調

ギュル大統領は演説でEUに関しての意見も述べた。EUの価値がトルコの経済と民主主義の強化、国民の生活水準を向上させる改革を押し進めることになったことのは明白であるとした。大統領はEU基準に沿った法律(改正)と改革を新たに優先事項にあげることを望んだ。

■大統領制に慎重姿勢

ギュル大統領は、大統領制に対して慎重な姿勢をみせた。ギュル大統領は新憲法制定プロセスにおいて複数の選択肢を示すこと、各制度の問題点を吟味することが妥当だとするとともに、「この制度には世界中で実施され成功した例があると同時に、大変困難な問題を引き起こした例もある」として警告した。

■報道と表現の自由

ギュル大統領が警告を促したもう一つの件は報道と表現の自由についてである。大統領は、ある国で作家、思想家、知識人による表現活動が恐怖を伴わないで発信できているということは、その国が尊敬を勝ち得ることに繋がるとした。更に新聞記者、報道陣、すべてのメディア関係者が、国民に情報を発信する際に、いかなる障害にも出くわさないことが基本的条件であるとした。

ギュル大統領は、いかなる者も自身の考え、それをメディアを通じて発表したことで逮捕されることはあってはならないと強調した。暴力の助長と見解の表明との間には明白な境界線が引かれるべきだと述べた。

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( 翻訳者:小幡あい )
( 記事ID:27747 )