Fikret Bira コラム:トルコの反撃でシリア軍で死者―8~10人?
2012年10月05日付 Milliyet 紙


シャンルウルファ県アクチャカレ郡で5人の命を奪い、13人を負傷させる原因となった砲撃を行ったシリア軍に対しトルコは60~70の砲弾を発射した。シリア軍の損失は多大なものとなった。

アクチャカレ郡で5人の命を奪う原因となったシリアからの砲撃に対し行われたトルコの反撃が、実ははじめてのことではないことは、昨日、報じた。これまでの情報によると、2012年9月20日から現在まででシリア軍のものとされる17の砲弾がトルコ国内に落ちており、トルコは変更した戦闘規則にのっとり、これまでもシリアの砲弾全てに対し毎回、反撃を行ってきた。

■60-70この砲弾による報復攻撃

シリア軍のものと確認され、トルコ国境内に着弾した砲弾を発射したシリア砲兵隊の駐屯する地域に対し、トルコ軍は、今日までに60-70ほどの砲弾を打った。シリアにより先日の15時10分から16時40分の間にうたれた砲弾は、アクチャカレ郡で2人の女性と3人の子供を含む計5人の国民の命を奪う結果となり、これをうけ、アクチャカレ郡にいるトルコ軍砲兵隊は同日15時30分から翌朝6時55分までシリアに対し砲撃を行った。砲撃のねらいはアクチャカレ郡に砲撃を行ったとされるシリア軍部隊であった。

■8-10人のシリア兵が死亡した

信頼できる情報筋によると、アクチャカレ郡の砲兵隊が行った砲撃の結果、シリアからアクチャカレ郡に砲撃を行ったシリア軍部隊に所属する8-10人の兵隊が死亡した他、数人の兵隊も負傷した。また、この砲撃によりシリア軍の3台の戦車、2台の装甲車、1つの大砲が破壊された。何台かの軍用車も被害を受けた。
トルコ国境に落ちた17の砲弾に対しトルコ砲兵隊が行った砲撃によりシリア軍に与えた損失は以上のとおりだった。

■事故だったとしても・・・

シリアは先日アクチャカレ郡で5人の命を奪った砲弾が事故でトルコ側に着弾したと発表したが、それは事態を変えるものではない。軍部関係者はこの砲撃が故意に起きたものせよ、事故によるもににせよ、シリアに対する報復がなされること、故意でなかったにしても、国境を侵害し相手国民が被害をこうむるリスクが高い場所でこのような砲撃を容認することは不可能であると強調した。砲撃の際、1センチメートル角度を間違えれば目標から3キロメートル逸れてしまうこと、それゆえ国境に近い地域で砲撃を行う際には非常に慎重に行わなくてはならないと、この軍関係者は語る。

トルコのシリアへの報復砲撃は16-18キロメートルの飛行距離の砲弾で行われたことも判明した。 155ミリメートルと205ミリメートルの砲弾を使い行われた砲撃が目標に命中したこともレーダーシステムで確認された。トルコ国軍はさらに長距離用の砲弾も所有しているが、一昨日と昨日の朝行われた砲撃では主に18キロメートル級の砲弾を使用することで十分目標を攻撃することができた。

■F-16が妨害飛行

国境に沿いトルコ空軍も抑制のための飛行を行っている。
シリア国境に3マイル(4.8キロメートル)の距離に近づいたと確認されたシリア戦闘機とヘリコプターに対し、ディヤルバクル県とマラトヤ県の基地から離陸したF-16が妨害飛行を行っている。妨害飛行に気付いたシリアの戦闘機とヘリコプターはトルコ国境に3マイル以上近づくことはなく、その地域から離れている。

■(シリア軍がその後)砲撃は行っていない

アクチャカレ郡に落ちた砲撃に対しトルコが一昨日の夜と昨日の朝報復を行った後、シリア砲兵隊は再度砲撃を行うことはなかった。シリア側は昨日の夕方までトルコ国境またはテラブヤドの反政府勢力に対する砲撃を行わなかった。

■抑制効果

トルコ軍と外務省筋は、トルコに開戦の意思はなく、単にトルコ側に行われた攻撃に報復を行ったこと、しかしトルコ国内に着弾があれば報復を行い続けることを強調している。
(7月に)F-4戦闘機が撃墜されてから現在まで国境に沿って上空からも地上からも絶え間なく監視が行われており、新戦闘規則が文字通りに実施されているという。
トルコ大国民議会では、政府に対しシリアへの派兵の権利を認めた許可(tezkere)が昨日承認された。この許可、ならびにトルコ国軍が新戦闘規則に沿って行った報復が、シリアに対し抑制的な影響を与えるだろう。

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( 翻訳者:畔上曜子 )
( 記事ID:27780 )