エジプトのマザーテレサ「ノーベル賞よりも子どもの笑顔が大事」
2012年10月09日付 Al-Ahram 紙


エジプトのマザーテレサ「ノーベル賞よりも子どもの笑顔が大事」

2012年10月9日 『アル=アハラーム』

【取材:アシュラフ・サーディク】

数日後にはノーベル平和賞の発表が行われる予定である。「エジプトのマザーテレサ」として、またノーベル賞の候補者として知られるママ・マギーが受賞しようと、他の候補者の誰かが受賞しようと、本当にこのエジプト人女性は、崇高かつ偉大、最も良いものを勝ち取った、つまり愛と平安と創造主たる神の充足を勝ち得たのである。
本紙の訪問中、彼女はノーベル賞受賞を気にしていないということ、彼女にとっては子どもの笑顔の方が賞よりも良いのだということがはっきりした。

「エジプトのマザーテレサ」の名で知られ、また今月10月12日に発表されるノーベル平和賞の候補者としても知られるマギー・ジブラーン氏は、これまでに4度ノーベル賞の候補者に選ばれていることと、今年の受賞の見込みに関する本紙の質問に、このシンプルな言葉で答えた。そして神への愛をこめて顔と両手を空に向けて上げ、(この行為により)私(の質問)は遮られるかたちとなった。

マギー・ジブラーン氏は本紙との会見を、昨日の早朝、ムカッタム(訳者注:カイロ東部の丘陵地域)の「ゴミ収集業者地区」にあるサマアーン・アルハッラーズ保育所の前に設定した。それは2012年のノーベル平和賞の候補に彼女が選ばれたという発表後のことである。候補者リストの中で、貧困者の支援と貧しい大勢の幼児を保護するための数十の組織への援助といった彼女の役割は顕著である。支援者の一人であるイマード・ビシャーイ氏が、我々が保育所に到着できるよう手助けしてくれた。保育所に至る道は極めて狭い通りを抜けるものであり、その脇にはゴミの山とあなたに問いを投げかける人間の顔がある。それとは、「これが、全ての病気をもたらす環境の真ん中での人びとの生き方なのだ」。「エジプトのマザーテレサ」マギー・ジブラーンが到着すると、全てが変わった。通りは喜びに満ち、あちらこちらで子供たちの歓声が高らかに上がり、彼女は保育所の門をくぐる前に、袋から出したお菓子を、彼女に会いに来た人びと全員に配ったが、お菓子よりも大事なのは、顔にそっと触れる彼女の微笑みや、彼女が着ているとても素朴な白い衣服であった。多くの子供たちが彼女にぶら下がり、彼女は彼らを伴って保育所に入って行った。建物の中に連れて行くと、子供たちの足や顔を彼女の手で洗い、サンダルと革の部屋ばきを履かせた。その一方で彼女は自身の作業に取り組んだ。彼女の助手は私に、彼女は子供たちに清潔にすることの大切さを教えるために、キリストがその弟子たちにしたのと同じように彼らの足を洗うのに熱心なのだと話した。
彼女についての話は愛が全てである。それらは1949年に誕生以来、即ち彼女は現在63歳になるという点から説明してくれた。彼女の父ジブラーン・ジョージ氏は皮膚科医として働いていた。母のフィフィー氏は存命している。イブラーヒーム・アブー・サイフ氏と結婚し、息子アミール、娘アーンの一男一女をもうけた。娘は結婚しており、子供たちがいる。
(後略)

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

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( 翻訳者:岸本聖美 )
( 記事ID:27822 )