イスタンブルの街角の新たな住人
2012年10月14日付 Hurriyet 紙


中国人の物売り、セネガル人の時計屋、エクアドル人のミュージシャン。彼らはイスタンブルの街角で新たな人生を送っている。しかし彼らの仕事はかなり大変だ。

一攫千金を夢見ることのできる町イスタンブルは、何百年もその懐をだれにも開いて来なかったが・・・アナトリアで希望を追い求める人たちがスーツケースを片手にやって来る場所になった。最初は荷物運びや物売りとして働く人が多かったが、今は夜になるとイスタンブルの象徴の一つ、ガラタ橋とその周辺で様々な人たちが様々に働いている。アフリカやエクアドル、中国から来た物売りは、イスタンブルの街角で新たな人生を探している。エミノニュの地下道は、夜になるとアフリカ人の物売りでいっぱいになる。

■街角で満足するアーティストたち

カラキョイ、エミノニュ、スィルケジを経て、私たちはテュネルからタクスィムに向かっている。すべての大都市と同様に、世界を放浪するストリートアーティストたちがパフォーマンスを披露している。中国を出てラッパを演奏しながら世界を周る人(名乗らないため名前がわからない)は、イスタンブルでの路上でのもうけが少ないことに不満を漏らしている。人々の多くは、(チップをとりだすために)ポケットに手を入れることもせずに、一瞥しただけで行ってしまうそうだ。その日暮らしの街角のアーティストたちの仕事は大変そうである。そのため彼らはより短い期間しかいなかったと話している。トルコドラマが好感をよび、イスタンブルをはじめとしてトルコにアラブ人観光客が押し寄せたことを知らない人はいない。まれではあるが、アラブ人の乞食たちでさえイスタンブルに来たそうだ。また、エジプト人の有名な歌手、ユンミュ・ギュルスュムの曲をアラビア語、英語、トルコ語の歌詞に合わせて歌い、金を稼ごうとするトルコ人の知恵者たちにも私たちは会った。

■3時間で織ったリストバンドを5リラ(約220円)で販売

マリア・エステリナさんは、エクアドルから3人の友人と大きな希望を持って5か月前にイスタンブルに来た。エクアドルから持って来たものはショール、小さな玩具、手織りのリストバンドと山のようなアクセサリーを路上で売っている。一つ織るのに3時間かかるリストバンドを5リラで売っている。10月末にエクアドルに帰る際に、稼いだ分を持って帰りたいと考えている。たくさんのお金は稼げなかったが、努力したそうだ。警察を恐れている。

■ここにずーっと住めればいいのだが

セネガルから半年前にイスタンブルに来たイブラヒム・ソウさんは、なぜ自分がトルコに来たのかわからないという。あたかもある国際的な武装集団が、あるときイスタンブルツアーをやって、イブラヒムさんもその集団に加わらなければならなかったかのように、(ここへやってきた)。「ここにずーっと住めればいいのだが」と言うとき、その熱意よりも自身の状況に対しての反発の気持ちが声に表れていた。トルコの人たちは良いと言うが、一方では彼と今まで買い物以外で会話したトルコ人は私だけだと話す。信じられずに何回か、「本当に君はトルコ人か?」と尋ねてくる。

■夫、兄とともに冒険へ

3人のエクアドル人ミュージシャンのグループは人々を楽しませることに成功している。5か月のイスタンブル旅行は残り2か月だ。マルティナ・フベナラさんは、夫のヘルマイン・タナマさん、兄のヘルマイン・アルドラノさんと共に冒険に出たと話した。家族を故郷に残し、「少し世界を周って、お金を稼ごう」と考えたそうだ。エクアドルで稼ぐことの難しさに3人は不満をこぼしている。イスタンブルの名を聞いてここに来たそうだ。この喧噪あるれる巨大な都市で、主に観光客からお金を稼いで食べているそうだ。

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

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( 翻訳者:菱山湧人 )
( 記事ID:27890 )