Abbas Güçlüコラム:教育4+4+4制、一刻も早い見直しを
2012年10月21日付 Milliyet 紙

国民教育省がどれほどそうではないと主張しようと、「4+4+4制度」は深刻な状況にある。
深刻な状況であり続ける…。
制度が定着することは不可能だ。なぜならその理屈が誰にもわからないからだ。
あれこれ議論したり、強情をはらずに、かつての小学校、中学校、高校を義務化し、小学校入学前に1年間の就学前教育期間をおけば、この件はおのずと収まる。
教師や保護者と同様、生徒たちも混乱している。
小学生なのか、中学生か、さもなくば高校生なのかも定かではない。
何とも説明できない状況なのだ。
第一段階(小学)4年生、第二段階(中学)4年生、direk sınıfなどといったところで、大人が理解できるはずもない。
「お前、それは小学校なのか、中学校なのか、それとも学校なのか、それをいえ」といって、困惑ぶりを露呈する。
このような態度が不当だとは言えない。なぜなら、今まではそうだったのだから。
このシステムは結局、そこに戻るだろう。それゆえ、全ての学校を4+4+4制度へ転換するといって、新たな混乱を生み出すことは、誰にとってもそうであるように、何より教育にとって何の利益にもならない。
このような制度は以前から何度も試されたが、すべて失敗に終わってきた。状況から見て、今回もなんらかわりはないようだ…!

■12年間が義務教育のはずだが・・・

就学開始年齢について議論があったため、子供を学校に行かせなかった人がいたことがわかっている。ディンチェル大臣は義務教育開始の枠内に入っているにもかかわらず就学していない児童の割合は非常に低いと言っていた。しかし共和人民党(CHP)のヌル・セルテル議員はこの割合が25%にも達すると主張している。

セルテル議員はトルコ大国民議会(TMBB)で行われた「4+4+4制教育モデルの開始一ヵ月」についての会見で「e-okulシステム(保護者に対して連絡や情報提供を行うために国民教育省が運用しているウェブサービス)には231万3,888人の児童が事前登録を行っていたが、このうちたった175万8千人のみが本登録されている。つまり55万5,888人は義務教育期間に入っているにもかかわらず、登録されていないことになる」と述べた。

さらにセルテル議員は、「このデータは、国民教育大臣の「病院の診断書をもらって学校就学をのばした児童数は、全体の3%」という発言の虚偽を明らかにしている。パーセントでいうと、就学期の児童の24%は本登録をなされていない」と述べ、校舎の33%が学年をまたいでの合同授業を行う初等教育学校となっていることも強調した。また、国民教育省は1万6,905校の小学校から卒業した児童が、たった3,558校の中学校にどうやって入学できるのか、計算できていないと主張し、一時施設や図書館、実験室も教室に転用されていることを指摘している…。
(12年の)義務教育中、もっとも大きな数字の不一致は、入学時の児童・学生よりも、中学校、つまり8年次を終えた学生たちが、(444の)最後の4年間、つまり高校へ進学していなかったことに原因があるといわれる。

さて、この(高校未進学)問題への取り組みは行われているのだろうか?説得や引き止めなどの対策はとられているのだろうか?国民教育省は進学しない学生にサポートをするとか罰するとか、なにもないのだろうか。
野党と同様に、与党もこの問題について毎月記者会見を開いて世論に情報を伝えればいいのに。そうすれば何が正しくて何が間違っているのか、より明確に知ることができるのに…。

■教科書の無い学校

学校が始まって数週間がたち、試験が始まった。しかし依然として多くの学校では教科書が行き届いていない。
特に優秀な学校に。
4+4+4制度により、予想をはるかに上回る数の学生が学校に通い始めた。
このため教科書の印刷数が足りなかったのかもしれない。
中学校から高校への進学が義務教育に含まれたため、学生数は大幅に増加した。
しかしこれらの理由のいずれもが、生徒に教科書がいきわたらない理由になるなどあってはならなかった。
国民教育省は、足りない教材を1~2週間のうちにはっきりさせて、必要な分を届けるべきだ。
しかし、最近の状況はまったく喜ばしいものではない。

毎日さまざまな学校から寄せられる、よくあるメールのうちの一通がまさにこれである:

「我が子は今年、科学高校の9年生になりました。E科学高校はトルコで最も良い科学高校の一つであるため第一志望に選択したのです。しかしその夢は壊されてしまいました。学校が始まってから一か月以上もたったのに、相変わらずクラスの大多数で教科書が支給されていないため、授業がろくにできていません。貴方たちも憂慮しているように、教科書がないことが生徒たちの学校でのやる気を著しく損なっています。学校への熱意を失う原因になっているのです…。」

以上の要約:間違いを正すことは、正しいことを最初から新しくやりなおすよりも難しいのだ。だから、道から大きく外れる前に、4+4+4制度をもっと徹底的にく見直さなければならない…。

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:山本涼子 )
( 記事ID:27963 )