イラン国営放送の国際放送、欧米による検閲を受ける
2012年10月16日付 Jam-e Jam 紙

人工衛星「ホットバード」、イラン国営放送の国際放送の配信を停止

 「ホットバード」〔を運営するユーテルサット〕社は、昨日メフル月24日〔西暦10月15日〕から、衛星周波数帯12437Hzを切断し、イランの衛星チャンネルへのサービス提供を停止すると発表した。

 西洋諸国には自由な情報の流れがあるという西洋の主張に反し、人工衛星ホットバードを通じたイラン・イスラーム共和国の国際放送の配信は停止されてしまった格好だ。

 〔イラン国営放送が運営するアラビア語放送の〕「アル・アーラム」放送のニュースサイトが伝えたところによると、「アル・アーラム」や「プレスTV」、「アル・カウサル」、「ニュース・チャンネル」、「サハル1」、「サハル2」、「ジャーメ・ジャム1」、「ジャーメ・ジャム2」など、ホットバードの上述の周波数帯から配信されていたすべての放送局の放送は、昨日から受信不可能となった。

 これらのチャンネルはつねに、西洋、ならびに域内における西洋の同盟国の放送局〔※アル・ジャズィーラなどを指す〕が握っていたニュースの独占に対抗して、公平無私な人間の視点を世界の視聴者や国際世論に届けようと努力してきた。

 シオニスト的、ないし西洋的な潮流とは対立するような意見や見方が発信されるのを禁じようとする動きは、これまでも存在した。域内においてアラブの革命運動が始まり、イスラームの目覚めが最高潮に達する前から、アル・アーラムやプレスTVなどの周波数帯には、妨害電波が送られ、これらの放送局から電波を送ることがしばらくの間妨げられたことがあったのである。

※訳注:なお、ユーテルサット社は今月に入り、同社の人工衛星から配信されているBBC WorldやBBC Persian、BBC Arabicなどに対して妨害電波を発信しているとして、イランやシリアを非難する声明を出しており、妨害電波をめぐって非難合戦が起きている。

 アル・アーラム放送は、域内及び域外で起きた重要な出来事、特に西洋によるイラク攻撃や占領体制〔=イスラエル〕によるガザならびにレバノンへの軍事侵攻などについて、アラブの視聴者に情報を提供し、世論を喚起するのに、重要かつ積極的な役割を果たしてきた。同局は約2年前から、アラブの〔湾岸諸国の〕首長たちの要請によって、違法にも「アラブサット」や「ナイルサット」といった人工衛星からの配信を排除されている。

 中立機関によって行われた世論調査が認めるように、同局がイスラームの目覚めの過程で、アラブ人視聴者たちの世論喚起に大きな影響を及ぼしたことは広く証明されている。こうしたことから、同局は妨害電波や恒常的に続くサイバー攻撃に依然として晒されているのである。

 こうしたなかプレスTVもまた、報道の自由や表現の自由を謳う西洋諸国において、たびたび各種の妨害電波の標的となり、違法かつ非倫理的な取り扱いを受け、一部の西洋諸国の衛星放送から排除されてきた。

 〔今回ユーテルサットから電波の配信を止められた〕これらの放送局は、自らの権利を回復し、今回の無思慮な決定によって生じた物的・精神的損害の補償を求める法的権利が自らにはあると考えている。

 イラン国営放送の番組がホットバードを通じて配信することができなくなったことを受け、〔アメリカに本拠地を置くインテルサット社の〕人工衛星「インテルサット20」が代わりの衛星として指名されている。

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( 翻訳者:8409036 )
( 記事ID:28001 )