トルコ出生率、鈍化
2012年10月28日付 Zaman 紙


保健省が行った調査は、出生率に関して恐れていた現実を目の当たりに示した。調査は、12の地域で2012年の4月から5月に121,446人の女性を対象に聞き取りが行われた。
調査の結果によると、トルコでの出生率は1.90まで低下した。トルコの統計局(TÜİK)は、出生率が2025年に2を切るだろうと予想していた。また統計局のデータによると、人口は2019年に約8100万人になるはずであった。しかし、この出生率低下により、この目標を達成することは難しいとみられている。人口再生産に必要な出生率は2.1である。1940年から1950年の間は6.9であった出生率が、2以下になるという最終段階に入った。ハジェッテペ大学のイスメト・コチ教授によると、2040年以降に人口の減少が始まるとのことだ。
保健省とイスタンブル大学健康科学部は、乳幼児の死亡(原因)を調べるために重要な調査を行ってきた。「トルコの乳児および5歳以下の幼児の死亡に関する調査」という研究で、12地域の2012年の4月から5月の間に121,446人の女性を対象に聞き取りが行われた。調査は、世界保健機関にも提出された。調査のための面談では、75人のコーディネーターが指揮を取り、1087人の調査員によって、女性達に多くに質問がなされた。この質問のうちの一つが出生率に関するものであった。導き出された結果、一人当たりの女性の出生率が1.9であることが明らかになった。結果によると、現代的な生活のなかで、女性の出産年齢よる出生率の低下、帝王切開による出産の増加が影響を与えている。トルコで出生率が最も高かった地域は3.42の東南アナトリア地域で、最も低い地域は1.55で西マルマラ地域であった。
調査では、女性が生涯に経験する全ての妊娠とその妊娠の結果(死産、流産、通常出産)に関するデータも収集された。年齢層による分析では、出産の69%が30歳未満の女性であった。出産の5分の1は、出産という点から大きな危険の伴う19歳以下と35歳以上であった。研究では、「全ての出産の5分の1だけが危険の伴う年齢での出産であることは、危険な年齢での出産の割合が低下し、女性の出産年齢に関する意識が上がったことを示している」とまとめられている。

■毎年13万件の中絶がある。

毎年平均125万件の出産がある。そのうち約30万件が死産あるいは流産である。研究ではこの問題についても情報を示している。トルコにおける出産のうち約15万件(約10.9%)が流産であり、13万件が中絶であり、2万件が死産である。専門家は、流産と死産が過去に比べて減少を示していることに注目している。
研究によるとトルコでの5歳未満の幼児の死亡が減少していることも明らかになった。ここ5年でみると、乳児の死亡率は1000人に7.7人、5歳未満の幼児の死亡率は、1000人に11.25人と算出された。乳児の死亡率は、1960年代には1000人に160人、1980年代には1000人に120人、1990年代には1000人に65人、2005年には1000人に29人であった。同様の状況は5歳未満の幼児の死亡率についてもあてはまる。この割合は、1960年代に1000人に220人、1980年に150人、1990年代には85人、2005年に37人になった。乳幼児の死亡の減少は、国連のミレニアム宣言とミレニアム発展目標の8つの主要テーマの一つとして挙げられている。新しい世紀の初めに出された目標は、2015年に5歳未満の乳幼児の死亡率を3分の2に減らすことであった。トルコは、ミレニアム発展目標よりも以前に到達し、さらにこの目標を達成した数少ない国の一つとなった。

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:28049 )