Can Dundarコラム:催涙ガスのなか、私もそこにいた―アンカラ共和国記念日祝賀
2012年10月30日付 Milliyet 紙

実際のところ、内務大臣とアンカラ県知事に感謝しなくてはならない。彼らが「共和国記念日の祝賀は禁止する。これに反した者は逮捕する」 と煽らなければ、これほどまでに大規模にならなかったかもしれない。祝賀に訪れた者の大半が、意地になって集まりにきた。

もし彼らが、家族連れで共和国を祝福しに駆けつけた人びとを容赦なく締め付けていなければ、人びとは、 一致団結することはなかったかもしれない。

彼らが挑発したおかげで、首都アンカラは立ち上がり、 一致団結すると、いかなるバリケードも人びとを抑え付けられないことを目にした。国民は催涙弾による焼けるような鼻や目の痛みを受けつつ勇敢に装甲の前に立ちはだかり、バリケードをひっくり返し、上機嫌に行進を始めた。

かの有名な物語のようである。
「宰相」が事件を目にした場所から「陛下、民が陽気に騒ぎ始めました。どういたしましょう」と尋ねたにちがいない。王は「ならばもうそのままにしておけ」とおそらく答えるのだ…。

■集会場所拡大

報道するのを恐れているテレビ関係者は恥を知れ。
何年間もこのアンカラの集会を見てきた。今回は最も激しい集会の一つであった。1977年にイスタンブルで同様のことが起きた。エジェヴィト氏は選挙の5 日前にタクスィムで集会をしようとしたが、(当時争っていた)デミレル首相が「我々は、暗殺が行われるという情報をつかんだ」と述べると、まるでイスタンブル全体がタクスィム(広場)に流れるかのように、歴史上最も大規模な集会が起きた。

昨日の行進は、例年の共和国集会とは別物であった。中心となる組織が存在していないようだった。集会場所は拡大し、民主主義や自由を求める声が一番に上がった。あるところでは、「この道は革命の道である」と国歌を歌う者、また一方では「我々 はムスタファ・ケマルの兵士だ」とスローガンを掲げている者もいた。アンカラの古い広場ウルスは、ここ何年間も見られなかった群衆を歓迎していた。年齢、階層、居住地に関係なく女性が先頭に立った。子供たちを連れ、国旗を手に取り、人びとはやってきた。若者でさえ...。

■共和国を大衆から守る

警察は、ウルスの駅から広場まで続く道にいたデモ参加者たちをバリケードで閉じ込めた。

笑える話である:
共和国を大衆から守っているのでる。

ある母親は手に持ったアタテュルクを描いた旗を警察に向かって振りながら「見なさい、アタテュルクよ…恐れなさい」と叫んだ。この集団を先導する者はいなかっ た。その場の人びとの集まりは、みんな一つで、共和国の家族の一員だった。決断はその時その場所で行われた。

バリケードの前に集まった者たちは、小路のあいだを縫って広場へと流れた。アタテュルク像の前はかつてないほどの人だかりができていた。祝日そして無許可のデモながら「共和国記念日の祝賀禁止」を聞いた者は駆けつけた。集まった者達は反発していたが、その感情を怒りに変えたのは、突如として理由もなしに身を伏せることになり、彼らの目と鼻を痛めた催涙ガスだった。

■催涙ガスがまかれ…

旧国会議事堂からアタテュルク像までの一帯に蔓延したガスは、高らかに国歌を歌う若者、老人、女性や男性、子供たち全員を苦しめた。警察のことをよく知っている者はレモンを持ってきていた。そうではない者はガスがどういうものかを知った。ガスは我々の網膜と喉を刺激した。

子供たちは泣き、両親たちは暴言をはきながら子供達の顔や目を旗で覆い、老人 たちは壁に手をついて吐いていた。

怒りと勇気を持ち、頑固に行進を始めた。警察は端に寄り、傍観する以外術はなかった。

アンカラは、禁止されたデモ行進をやっとのことで手に入れた。ウルス地区からクズライ地区、ネジャットベイ地区からマルテペ地区へ、そしてそのままアタテュルク廟まで続く長い道を、嬉々として歩く者は、おそらく初めて共和国記念日をこれほど大勢の人々と熱烈に祝ったのではないか。

■過去と未来

催涙ガスを撒く司令をした者共へ悪い知らせである、昨日ガスを浴びた子供たちはこの祝日の痛みを一生忘れない。エルドアン首相も1980年に自分が先頭をきって行ったデモ行進で、警察に妨害され、アスファルトに敷いたジャケットの上で礼拝して抗議したことを、逮捕されたことをどうか思い出していただきたい。警察による防 止、警棒、催涙ガスは、信仰ある者達を怖がらせるだけではなく、その逆に先鋭化させ確固とした路線をなして、その意志がいつか政権交代へとつながることは自分たちが一番よく知っているはずだ。過去を理解する者は未来を理解するのだ。

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( 翻訳者:小幡あい )
( 記事ID:28080 )