Fatih Ozatay コラム:日本の失速から学ぶ教訓
2012年11月22日付 Radikal 紙

主に外国からの需要に応じる生産構造であれば、生産の低下は避けられない。

日本の輸出は、2011年1-10月の対前年同期比がマイナス2.3%であった。専門家によると、二つの理由がこの下落にはある。一つは過去ほどには外国から輸入することが難しくなっているヨーロッパの経済情勢の落ち込み。二つ目は今までに無い中国の急速な成長の陰りと日中間に横たわる緊張である。それは日本の10月の単月が対ヨーロッパ輸出がマイナス20.1%、対中国輸出がマイナス11.6%という数字からもわかる。

輸出の落ち込みは、輸出が経済の大半を占める日本において経済全体にも直結する。一年前は日本は2.2%の成長を見込んでいた。しかしながら、2013年は同じ程度の期待が出来ない。2012年の成長率の半分程度に落ち込むのではないかとみられている。

■輸出の減少

通常、国の貿易額の多さは良いこととされている。しかし世界経済の重要な国々が問題を抱えている中、状況は変化している。問題を抱えている国々はサービスや物の他国との取り引きを減らしている。もし貴国が問題を抱えていないとしても、この条件下においては、他国の問題も貴国の問題となるのである。特に輸出に頼っている部門がまず成長を止め、次に縮小する。この喜ばしくない状況は、輸出を行わないが、輸出に頼っている部門を支えている部門にも飛び火する。経済全体が影響を受ける。そして一定の段階を経て、あなた方も悪影響の循環を助長することになるのだ。

トルコはこのような状況を2008年末から2009年に経験した。トルコの輸出は2009年に対前年比マイナス22.6%となり、これがその年の経済成長率がマイナス4.8%となる要因の一つだった。今はあの時程落ち込んではいないが、未だに輸出で打撃を受けている。金を除く2011年の輸出額は US$1333億ドルであった。金を除く2012年9月現在の、過去12ヶ月の輸出額はUS$1367億ドルである。たった2.6%の上昇である。もちろん全く上昇しないよりは良いが、結果としてかなり低い数字である。

■高い経常赤字

トルコの輸出低調の背景にはヨーロッパにおける問題が潜んでいることを、我々は認識している。その最も顕著な例は自動車部門を取り巻く状況である。外国に販売された自動車の数は、今年の1-10月の累計で対前年比マイナス9.9%となった。主に外国からの需要に応じる生産構造であれば、生産の低下は避けられない。結局、同じ時期の自動車生産量は対前年比マイナス10.4%となった。興味深いことに、年初からの単月の輸出と生産量の落ち幅が10月は最大となった。

相当な削減がみられているとはいえ、経常赤字は未だ高い水準にある。もしこの赤字水準が、先進国の中央銀行がこれほど十分な資金供給せず、金利も低く抑えてない、つまり企業にとって資金供給が今ほど容易ではない状況ににおい起きていたとすれば、我々にとっては恐ろしいことだったろう。(しかし、今、状況は逆だ。)更に、トルコは、経常赤字の減少を、経済の過熱を防ぐ形で達成することができた。トルコの輸出に悪影響を及ぼしている先進国経済の低調なパフォーマンスは、すぐには解決されない。成長率3%の中で、いまだに国民所得の7-7.5%の経常赤字があることに対し、何ができるのかを考える必要がある。

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( 翻訳者:有田 潤 )
( 記事ID:28316 )