■ムルスィー大統領、憲法承認を急ぎ、タハリール広場でのイスラーム主義者のデモで反対派に対抗
2012年11月29日『アル=ハヤート』
【カイロ:ムハンマド・サラーフ】
エジプトのムハンマド・ムルスィー大統領とイスラーム潮流に属するその同盟者らは、大統領に絶対的な権限を認めた憲法宣言の撤回と大統領決定を司法の監督下に置くことを求めるに至った反対派に対してより一層の対抗姿勢を示し、ついに憲法案の承認手続きにまで踏み出した。制憲委員会は今日(29日)最終案を採決して大統領に提出する予定だが、大統領は最高憲法裁判所が開廷する日曜日(12月2日)に先駆けて、土曜日(12月1日)にその憲法案への国民投票を国民に呼びかける決定を発表すると予想されている。最高憲法裁判所はイスラーム主義のメンバーのみが残っている制憲委員会の解散を求めた告訴の審理を日曜日に行うことになっているためだ。
またイスラーム主義者らは、明後日にタハリール広場でデモを行うと決定することで対抗姿勢を強めた。タハリール広場では明日(30日)ムルスィー大統領の憲法宣言に反対するデモが行われることになっており、デモに参加する勢力のいくつかはデモの後大統領官邸に向かってデモ行進を組織すると威嚇している。
タハリール広場でイスラーム主義者がデモを行うことは、反対派勢力が同広場で座り込みを行っている状況下では極めて危険となろう。市民勢力が憲法宣言の撤回までタハリール広場に座り込むと明言している以上、イスラーム主義者が同広場でのデモにこだわれば、衝突が発生するのは避けられないだろうとの懸念を煽るものだ。
しかし、ムスリム同胞団のマフムード・ガザラーン報道官は衝突が起きる可能性を否定し、本紙にこう述べた。「デモはタハリール広場で行われる予定だと同胞団指導部から電話で伝えられている…。衝突は生じないだろう。タハリール広場はエジプト人みんなのものだ」
またムルスィー大統領支持のデモに参加するサラフィー主義のアン=ヌール党のナーディル・バッカール報道官は、本紙に対し「われわれは衝突が起こらないことを望む。我々は組織的な性質の党であり、いかなる衝突も防ぐため人民委員会を形成するつもりだ」と述べた。
一方「国民救国戦線」の指導者であるアムル・ムーサー氏はエジプト国民に対し、明日の集会に参加し、各県でデモ行進を行うよう呼びかけ、デモ参加者と当局に暴力を行使しないよう要求した。
(後略)
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( 翻訳者:辰巳新 )
( 記事ID:28391 )