エジプト:大統領官邸周辺から「内乱」勃発
2012年12月06日付 al-Hayat 紙

■エジプト:大統領官邸周辺から「内乱」勃発

2012年12月6日『アル=ハヤート』

【カイロ:ムハンマド・サラーフ】

エジプトの政治危機は昨日(5日)ムスリム同胞団支持者が大統領官邸前で座り込みを行う大統領反対派を力ずくで排除し、政治的対立が死者と負傷者が出る流血の戦闘に移行したことに伴い、新たな転換点を迎えた。同時に、ムルスィー大統領は自身の決定を撤回することを拒否し、政権転覆を計画した容疑で取り調べるため反対派の主要人物たちを送検するに至り、大統領顧問4名がムルスィー大統領の危機対策に反発して一斉に辞職を申し出た。

同胞団の政治部門である自由公正党のイサーム・アル=アリヤーン副党首が「大統領は引き下がらない。前の時代に受けた傷によって国家機関が弱体化しているとしても、国民には自らの意志を示し、正統性を守ることができる。わが党員が最前線に立つことになろう」と宣言した数時間後、ムルスィー大統領支持派が大統領官邸前で座り込みを行っていたデモ隊を襲撃した。

大統領官邸周辺は昨日夜、双方の衝突の場と化し、ムルスィー大統領反対派2名が死亡、同様に、同胞団側でも身元不明の支持派1名が死亡したと同胞団のウェブサイトが伝えた。双方に数十名の負傷者が発生し、そのうち何名かは危篤状態にある。各県でも双方の群衆が集まる中、緊張した雰囲気が漂った。同胞団およびサラフィー主義者らは昨日、大統領官邸前の反対派の座り込みに乱入しテントを破壊、抗議者らを追い出し彼らが制圧していた官邸周辺を支配して、官邸前での座り込みを宣言した。こうした挑発を受けた革命勢力と反対派が官邸近くのロキシー広場に集結して同胞団に反撃したのに対し、同胞団は有刺鉄線でその一帯を包囲し始めた。双方の群衆が増えるなか、一帯は衝突の場と化した。双方は1時間以上にわたって投石と火炎びんの投げ合いを行い、銃声も響いた。

反対派は衝突により2名の死者が出たと発表、さまざまな勢力が銃弾によりメンバーが負傷したと述べた。大統領支持派が複数の反対派を連れ去り、官邸の壁の前で殴打するのが目撃された。警官隊が割って入って両者を引き離した。

(後略)


(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

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( 翻訳者:辰巳新 )
( 記事ID:28464 )