エジプト:司法の態度を待ち望む、野党勢力は2つの選択肢を迫られる
2012年12月10日付 al-Hayat 紙


■エジプト:司法の態度を待ち望む、野党勢力は2つの選択肢を迫られる

2012年12月10日 月曜日 『アル=ハヤート』

【カイロ:本紙】

ムハンマド・ムルスィー大統領は、自らを国民の選択の前に据えた。それは、明後日(12日)海外で始まる新憲法草案に関する国民選挙を何としても実施しようとした後のことだ。ムルスィー大統領は新憲法を発布したが、その中で、投票者はムルスィー大統領と彼の支持母体であるムスリム同胞団、およびサラフィー主義運動の同盟者らが支持する新憲法草案、もしくは遅くとも3か月間の間に新たに憲法制定議会を設立するかの試みの、どちらかを選択した。しかし、ムルシィー大統領は野党勢力の怒りを軽減することに追及しており、憲法草案に対する合意がなされた場合、議論の的となっている条文の修正を取り下げるであろう法務委員会を設立するという、自らの意向を公表した。

些末なムルスィー大統領の譲歩は、国民選挙が実施されるより先に、憲法について(反体制派勢力とムルスィー大統領派の間で)相互に合意に行き着くことを強く求める主な野党勢力の要求に応えるものではなかった。また「救国共同戦線」のコーディネーターであるムハンマド・アル=バラーディイー氏は「憲法をめぐる闘争は誰が権力を握るかについてではなく、我々の自由と尊厳、そして国がどうあるべきかをめぐるものだ」とし「我々は、前に進みたいのか、そうでないのか、と自分たち自身に問いかけなければならない」とした。また「人民の嵐」の創設者の指導部層に就くハムディーン・サバーヒー氏が、国民選挙の即時中止を呼びかけたことに関して「4月6日運動」は「ムルスィー大統領は自身の前任者であるフスニー・ムバーラクに運命を委ねるだろう」と予想した。

またムルスィー大統領は、先月21日に発表した憲法発布を撤回したが、これには、司法と和解的態度を取り、憲法をめぐる選挙の司法監査を確保しつつ、選挙実施の呼びかけや検事総長の変任などの自らの影響力を残そうとする試みがあるとされている。

また昨日(9日)司法選挙を監査する司法委員会の委員長であるザグルール・アル=バルシー氏は、現職から辞職するという以前の決定を取り下げを発表した。そして「辞職という措置の取り下げや憲法発布を取りやめたところで、私の職務解任に対する謝罪を正当化するものはないと思っている」と言及した。エジプトの裁判官クラブは、国民投票の監査について協議するために明日(11日)会議を開催するという。

エジプトの裁判官クラブが、国民投票の監査の拒否という以前の姿勢を変えないことが予想されている。とりわけ、新憲法発布は、検事総長の任命に言及する中で前憲法発布によってもたらされた諸影響を残すことが確認されている。これは、外交官数十名が明後日から始まる在外エジプト人の国民投票を拒否したときに、裁判官クラブが猛烈に拒否していたことだ。

マフムード・マッキー副大統領は、裁判官クラブの決定に先手を打っており「エジプトの裁判官は気高く、国の要請を放棄しない」と強調している。同氏は、一昨日(8日)の晩に開かれた記者会議の中で、以下のように発言した。すなわち「選挙最高委員会は、国民投票の施行を妨げるような問題を避けるために、あらゆる措置を取った。裁判官は、国民を見捨てるようなことはしないだろう。彼らに与えられた責務は、エジプトが障害に巻き込まれないようにすることであり、選挙最高委員会は、選挙監査のために裁判官を十分な人数に整える責任を持っている。私は、裁判官は必要以上にいると考えている」。

しかしながら、同氏は、カイロ控訴裁判所がその代表となっている司法委員会は、自らの権利によって、各委員会の統合であれ、国民選挙を数段階に渡って取り次ぐことであれ、完全なる司法監査の確保のために、あらゆる措置を取ることが可能であることを改めて指摘した。

(後略)

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( 翻訳者:林まり )
( 記事ID:28513 )