アルジェリア:仏大統領、植民地支配は「非建設的で暴力的であった」と認める
2012年12月21日付 al-Hayat 紙


■アルジェリア:仏大統領、植民地支配は「破壊的で暴力的であった」と認める

2012年12月21日『アル=ハヤート』

【アルジェ:アーティフ・カダーディラ】

フランスのフランソワ・オランド大統領は昨日(20日)アルジェリアの議員たちを前に演説を行い「フランスのアルジェリア植民地支配によってもたらされた苦痛」を認め「それを破壊的で、暴力的であった」と述べた一方「アルジェリアに来たのは謝罪のためだけでなく、共通の未来について協議するためである」と強調した。

水曜日(19日)からアルジェリアを訪問しているオランド大統領は、首都アルジェ西部のナーディー・サナウバルで行われた臨時集会において、集まったアルジェリア議員たちの前で演説を行い「フランスの植民地支配はアルジェリアの人民に苦痛を与えた」と認め「(1945年5月8日の虐殺が行われた)セティフ、グエルマ、ヒラータは、アルジェリアの人々の記憶に深く残り続けるだろう」と述べた。しかし、正式な謝罪には至らず、今回のアルジェリア訪問の目的は外交・経済関係の強化にあると指摘した。

大統領は、132年間にわたるアルジェリアの植民地支配について「暴力的で破壊的、かつ不公正なものであった」と見なすとともに「アルジェリアの人々に対する人権侵害や、アイデンティティーと自由を求める声を蔑ろにしたことを正当化するものはなにもない」と付け加えた。今回、同大統領はこうしたことを、フランスとアルジェリアの友好関係について「植民地時代の真実に基かない限り継続することは不可能である」とし、たとえそれが不都合な真実であったとしても明らかにされなければならない、と語るなかで発言した。

オランド大統領は、シラク元大統領時代から両国の懸案であったこの件に関して「アルジェリア、フランス間の友好関係が継続するためには、このような真実に基づくことが不可欠である。この真実は、苦難の歴史を被った人や、新しいページを開こうとする人に対する我々の義務である」と表明した。そして「忘却や否定の裏に隠されて作られるものなどない。真実とは、差別化するだけでなく、我々を結び付けるものであるのと同じように、痛みも伴うし、有益なものでもある」と述べた。

また大統領は「歴史がたとえ両国にとって悲しく辛いものであっても目を逸らしてはならない」と述べるとともに「アルジェリアは132年間にわたって植民地支配に苦しんだ」として植民地支配がアルジェリアに与えた苦痛を認めた。そして「私は、フランスの植民地制度がアルジェリアの人々に苦痛を与えたことを認める。またこうした苦痛の中に、アルジェリアの人々の記憶と意識に残り続けるであろうセティフ、グエルマ、ヒラータの虐殺がある」と明らかにした。

オランド大統領は、演説の中で「植民地時代の罪」を完全に認めることは避けたが、対フランス植民地支配の革命を指導し、現在でも議会の圧倒的多数を占めるアルジェリア国民戦線(FLN)の議員たちは同氏の演説に対して温かい拍手を送った。

一昨日(19日)夕方の段階では、大統領はアルジェリア人の権利を侵害した植民地支配について「その罪を認めることも、謝罪することもしない」と話していたが、ありのままの真実を語ることになるだろう。

また昨日、両国政府の間で安全保障、防衛、経済、直接投資、領事間の協力に関する7つの主要な合意が調印されたと発表された。おそらくその中で最も重要な合意の1つは、アルジェリア西部のオラーンにフランスの自動車メーカー「ルノー」の工場を建設することであろう。またアルジェリアのアブドゥルアズィーズ・ブーテフリーカ大統領とフランスのオランド大統領は「アルジェリア・フランス間の友好と協力に関するアルジェ宣言」にも調印した。両国間関係に「新たな進展」をもたらであろう今回の宣言には、人の移動やフランス内のアルジェリア移民コミュニティーへの配慮、教育、政治的協力など、経済や人道の領域におけるあらゆる協力が含まれている。

オランド仏大統領の演説に対するアルジェリア政府の最初の公式なコメントとしてAFP通信が伝えたところによると、20日午後、ムラード・ムドゥルシー外相が「オランド大統領の演説は過去、未来の両方についてきちんと述べられていた」と述べ「オランド大統領は演説の中で植民地支配の抑圧と、アルジェリア人に対する大きな苦痛に言及していた」と認識を示し「オランド大統領は平和の文化と他者への敬意を強調した」との見解を示した。

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( 翻訳者:石塚慎平 )
( 記事ID:28631 )