エジプト:反対派は不正の公式調査の後の国民投票停止を求める
2012年12月19日付 al-Hayat 紙
■エジプト:不正に関する公式調査後、野党勢力は国民投票停止を求める
2012年12月19日『アル=ハヤート』
【カイロ:ムハンマド・サラーフ】
エジプトで主要な野党勢力を包容する「救国共同戦線」は、次の土曜日(22日)にその2回目が行われる憲法草案をめぐる国民投票の停止を求めた。同組織は、先週土曜日に行われた第1回国民投票で市民社会団体が確認した不正行為を批判するために、集団デモを組織した。一方で、法務省は、さまざまな違反について調査するために裁判官を任命すると発表した。
国民投票監査司法委員会の事務総長ザグルール・アル=バルシー氏(司法独立潮流」を象徴する一人)は、投票での不正について疑惑が増してきた後、2回目の国民選挙に関与しないことを選んだようにみえる。というのも、同氏は昨日(18日)予定されていた記者会見を欠席したからだ。同司法委員会は、彼が目のけがのせいで手が離せなかったしてと彼の欠席を正当化した。それは、彼が業務を続けられなかったことを意味するが、彼の辞職の申し出や謝罪は全くなかった。
昨日(18日)カイロ中心部のタハリール広場とヘリオポリス地区にある大統領官邸前、そして官邸から近い国民投票監視司法委員会の建物の前では、何万もの人々が集まった。彼らはムスリム同胞団と、憲法草案を考案した憲法制定議会の同盟者たちの支配について言及するにあたって、この新憲法草案を「ムスリム同胞団の憲法」とみなした。かれらの目的は、この新憲法草案を拒否することであった。デモ隊らは、第1回国民投票で見られた数々の違反を批判した。国民選挙を監視している団体と「救国戦線」は、その違反が、選挙結果に影響を与える刑事上の罪の侵犯まで進展する広範な違反を表すものである、と強調した。
救国戦線は昨日(18日)の声明の中で「司法局の裁判官たちが第2回国民投票の監視を拒否するという決定は、2回目の司法監査を不可能にするものである。また裁判官は十分な数居たことから、国民選挙監査司法委員会のこの訴えは無効だ。そもそも、それは1回目のときに確立されていなかったことだった」と述べた。
そして「救国戦線」は2回目を延期する必要があると考え、最高評議会に対して祖国の責任を引き受けることを促したが、投票者たちに対して、集会の継続とノーと投票すること、および基本的諸権利を揺らがす憲法草案の取り下げを声高に叫んだ。
そして当局は昨日、1回目を台無しにした違反の調査を始め、56%が賛成を選択したという非公式の投票結果を示した。法務大臣アフマド・マッキー氏は、この責務を調査する裁判官の任命を命じたが、一方で「救国共同戦線」は検事総長と国民投票監視司法委員会に投票における不正と、いくつかの投票所において裁判官の監視がなかったことを証明する文書を提出した。しかし、当委員会は昨日(18日)の晩の記者会見のなかで投票作業を擁護し始め、一回目は司法の全面的な監査の下実施されたと強調した。
エジプト裁判官クラブは明日(20日)検事総長であるタラアト・アブドゥッラー氏が司法の広範にわたる求めに応じて辞職を申し出た後、2回目の監視に対する姿勢を決めるという。加えて、大統領職の延期は、マフムード・マッキー副大統領と諸勢力の間で予定されていた訪問対話を演出した。この諸勢力は、ムハンマド・ムルスィー大統領の呼びかけによって参加した。人民議会は、新憲法が承認される場合、下院選挙の実施時まで検事総長に対して立法権を委譲することが予定されている。また任命名簿の公表は、国民選挙の結果が発表される前に行われると推定される。
大統領との対話に参加している「エジプト潮流」党の党首ムハンマド・アル=カッサース氏は、本紙に対して「上院の任命リストの公表について、1回目の投票前に副大統領と合意がなされたが彼は、投票の結果発表まで任命リストの発表を遅らせることを要求した」と述べた。そして「この決定に関して混迷があるようだが、これはとても明白だ」と付け加えた。
この措置に「救国戦線」が参加するよう同戦線との間で連絡がなされたが、拒否されたことは周知のことだ。当戦線が主要野党勢力を代表していることを考慮すれば、大統領職はなんと混乱したものであろうか。任命名簿に「救国戦線」のメンバー、各政党、そこに加わるさまざまな活動の名前が挙がらないことは、その任命は信用を失うだろう。
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( 翻訳者:千北友佳理 )
( 記事ID:28634 )