PKKアール(アララト)山観光客から金銭徴収―KCK犯弁護士証言
2012年12月21日付 Radikal 紙


エルズルム第4重罪裁判所でアール山クルディスタン社会連合(KCK)訴訟で逮捕された被告人の一人、アイドゥン・アルカンの弁護士であるバハッティン・フラット氏は、「PKK(クルド労働者党 ; 非合法)は、観光業に従事していた依頼人にアール山をガイドするならば、金を払うように要求した。依頼人はこの要求を拒否し、観光業に従事するのをやめた」と述べた。

アール県のドウバヤズット郡で2011年12月3日アール山テロ対策担当局がPKK・KCKに対して行った作戦によって15人が拘束された。

容疑者のうち11人が逮捕された。2010年から2011年の間にドウバヤズット郡中心部にあるウルヨル警察署爆破、小石や火炎瓶による暴動、警察への抵 抗、デモ活動に関する法律違反など60もの事件に関与しているとされる15人の容疑者に関して、裁判がエルズルム第4重罪裁判所で始まった。

■7年半から生涯2回分の無期懲役刑を求刑

国家の一体性の侵害、公務員に対し職務を理由に企てた爆破殺害計画、テロ組織のメンバーという罪によって、7年半から生涯2回分の無期懲役刑が求刑された15人の容疑者の裁判が第4重罪裁判所によって開始された。審理には、勾留起訴された容疑者である平和民主党(BDP)党員メフメト・ババ イート元ドウバヤズット助役、ムフリス・アルトゥンBDP幹部、アジュダ・インジ、ベリタン・ドアン、テラト・アクタシュ、アイドゥン・アルカン、ダル ハ・カヤ、メティン・ヤシュク、ブルハン・カラタイ、アディル・チョバン、アデム・シャーヒンと、未勾留の容疑者ディジュレ通信社のアララト・アラス記者、マクブレ・アンディチ、フェルハト・タンルクルと容疑者の弁護士、彼らの親族が集まった。

■クルド語による弁護要求、認められず

未勾留のヤシャル・カラデニズ容疑者は、健康の問題上、弁解請願書をおくり審理に参加できなかった。審理をBDPアール選出のハリ ル・アクソイ議員、ドウバヤズットのジャナン・コルクマズ首長も傍聴した。拘留中の容疑者のうち2人はトルコ語で発言した一方、他の容疑者はクルド語による弁明を希望したが裁判官団によって拒否された。

ドウバヤズット自治体の委員会メンバーであるアイドゥン・アルカン氏の弁護士であるバハッティン・フラット氏は、依頼人に関する興味深い詳細を明かした。フラット弁護士は 「PKKは、観光業に従事していた依頼人にアール山をガイドするためには金を払うよう要求した。依頼人はこの要求を拒否し、観光業に従事するのをやめた。自治体の委員の業務からも離れたのである」と話した。

■「子供のときから性的暴行を受けてきた」

書類ではKCKアール地区責任者であるとされている容疑者のうち、アジュダ・インジは次のように述べた。

「クルド語を話したら、組織の指示とされてしまうのでトルコ語で話すことにする。私がトルコ共和国の国民であれば、情けを請う必要はない。この陰謀、仕掛けは人を心から不快にするものである。もう一つの名前であるロジュダは、起訴状にコードネームとして記載されているようだ。名前を理由に何度も拘留され、 拷問された。私は、暴力者、拷問者、悲しみにくれた母親達を見てきた。あなた方は何でこの道を選んだのかと尋ねる。私はディアルバクルの出身であ る。小さいときから性的暴行を受けてきた。クルド人であるがために争い、拷問のなかで成長した。子供らしい時期を経験できなかったのだ。私に何ができただろうか。 トルコ共和国に正義や法があるのなら、その機能を果たしてほしい。PKKやKCKの一員であるとしたら、証拠を示して欲しい。KCKアール地区責任者とされているが、ムラト・カラユランの権利を侵害しないように。KCKのアール地区責任者はムラト・カラユランなのだから。」

アジュダ・インジの弁論を受けて、ムスタファ・カフヤ裁判長は「それならば、KCKの存在を認めるのですね」とたずねた。この問いに関しインジは「KCKを知らない人などいるのでしょうか。子供でさえ、尋ねればムラト・カラユランを知っています」と返答した。

■女性の容疑者に妊娠検査

他の女性容疑者であるベリタン・ドアンの弁護士であるミュシル・デリドゥマン氏は、1年間拘留されている容疑者の分の起訴状が10ヶ月後準備されたことを批判した。デリドゥマン弁護士は書類がアール警察の陰謀によって作られたとし、次のように語った。

「アール警察が通話内容を通じて行った判断、捜査の段階で行われた処置、拘留された女性容疑者に対する妊娠検査の実施など、法的に受け入れられない態度や行為は、彼らが抱く偏見を明らかにしている。女性容疑者に妊娠テストの実施を要求した。これらをおこなった警察の行為から何が判明するのか。敵意や憎悪をこのような形で反映しているのだ。我々クルド人は法廷に出たら、手を空に掲げ、アッラーにお願いするのだ。このように『アッラーよ、クルド人に対してもアッラーとしての役目を果たしてくれ、民族舞踊を踊ることが罪だとされている。放っといてくれ、亡くなるまで。民族舞踊は国を崩壊するのだろうか』と。」

■テントに行くことは罪ではない

BDPドウバヤズット元郡責任者であるダルハ・カヤの弁護士であるエロル・ギュル氏は、カヤがテントに入ったということが罪状として示されていると明かし、次のように弁護をした。

「テントに行くことはテロ組織の一員であるという意味にはならない。エルズルムにおいてもイフタールのテントが設けられ、多くの人がそこへ行く。依頼人は郡責任者であったため催し物に参加しており、この写真を通じて判断が行われた。この人物はメッカの方向を向き『神があなたを導きますように』と言ったかも知れないし、『たたき潰せ』といったかもしれない。分からない出来事は依頼人に対して不利となる証拠品として示すことはできない。」

■受信メールが罪とされる

逮捕されたアデム・シャーヒン容疑者の弁護士であるアリ・アルトゥク氏は、依頼人に送られてきたメッセージが容疑の証拠品とされて示されていると明らかにした。アルトゥク弁護士は依頼人に届くメッセージは妨げられないし、返信はしなかったためこれを証拠品として示すことは できないと弁護した。約7時間続いた審理の後、裁判官団は、逮捕された容疑者のうちダルヤ・カヤ氏が未勾留のまま裁判にかけられること、他の容疑者は拘留を続けることを決定し、審理を継続した。

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( 翻訳者:入口 愛 )
( 記事ID:28642 )