「アタテュルク保護法」なみの「オスマン家保護法」を―国会に請願書
2012年12月21日付 Radikal 紙

トルコ大国民議会請願書委員会に「オスマン家保護法」の制定を求める請願書が提出された。

ハルン・イイトチュルク氏を筆頭人とする請願書において、1951年に出たアタテュルク保護法と同様の保護が、600年もの間、世界帝国として正義でもって世界を統治したオスマン家に対しても与えられることが要求された。
イイトチュルク氏は、「いまこそ、我々の議会が行動を起こし、こうした法案が提出されなくてはならない状況です。アタテュルクが、テレビや新聞、インターネットなどで、誹謗中傷、侮辱といった悪質な形で表現されないのと同様に、スルタンも同様に保護されるべきです。明明白白な形で我々の先祖が侮辱されることを、一人のオスマン朝の末裔として受け入れることはできないし、私のように考える人は山ほどいると信じています」と述べた。

■請願書には10名の署名がある。

以前コンヤ県で、ドラマに関して刑事告発を行ったオメル・ファルク・ビルディルジ氏もトルコ大国民議会請願書委員会に申し入れをした。テレビドラマについて、仮差し止め命令が決定されることを望むビルディルジ氏は、「ドラマの製作者らは、法の抜け穴を利用し、国内や国外における一部の勢力に貢献する目的でトルコの歴史を明らかに侮辱し、スレイマン一世を堕落し、ハレムでの生活に入りびたり、側室たちのおもちゃのように表現している」と述べた。

■「EU基準に則るべき」

一方、共和人民党のブルサ県選出国会議員アイカン・エルデミル氏は請願書委員会へ行われた申請に対し、トルコが今後立法行為を実行する際には、EU基準への準拠を基本とする必要があると述べた。
この基準の最も重要な精神は、「思想と表現の自由が最高限度に守られること」であると言うエルデミル氏は「このため、オスマン家保護法が、EU基準における思想、表現、マスメディアの自由を制限する条項を含むのであれば、これは不都合な立法行為となり、トルコの加盟交渉の可能性を薄め、障害となるでしょう」と述べた。今日、与党も主要野党もEU加盟交渉に関し意見を同じくしていると強調したエルデミル氏は「みなが共通の目標のために動いている。日々の大衆的な議論からでてきた、こうした目先の問題により、トルコが長い期間、それについて同意してきた目標に対して害を与えないことが必要だ」と述べた。

■「合理的かつ合法的だとはみなされ得ない」

民族主義者行動党のアンカラ県選出国会議員オズジャン・イェニチェリ氏は、この件について、誰も、歴史上の人物を汚し、事実に反した紹介や記述を行う権利をもたないと述べた。このため、この問題を価値観の観点から取り扱うべきだと述べたイェニチェリ氏は次のように説明した。「過去の偉人に対して見境なく話したり、際限なく、無計画に彼らを侮辱したり、軽蔑すべき態度は合理的かつ合法的だとはみなされ得ない。カーヌーニー(立法者スレイマン)はある映画で、ありえない姿で描かれている。私たちは実際にあったとおりに描かなければなりません。

全てのトルコの偉人たちを事実に即した形で、彼らの人格を傷つけずに守っていくような、新しい教育システムと法体系をつくる必要があります。これをアタテュルク保護やイノニュ保護、誰かの保護という形で捉えるのは正しくありません。広い意味で、全てのトルコの偉人や教団指導者をも内に含みながら、あらゆる人をこの価値の内側に取り込むような法整備が必要です。これは、民主主義的権利と自由を傷つけない形で行えるはずです。」

一方、平和人民党のディヤルバクル県選出の国会議員アルタン・タン氏は、提案を「ばかばかしいこと」とみなした。

タン氏は、「それなら私の祖父や誰もかれも、みんなを保護する法律をつくらなくてはならない。そのなかに売春や姦通、飲酒やギャンブル、暴行や殺人を犯したものがいないかを、私の祖父であろうとも、スレイマン一世であろうとも、メフメト二世であろうとも、公正に、歴史的文書や書類に基づいて議論しなくてはいけなくなる」と述べた。「しかしもちろん、でたらめな侮辱、罵倒、中傷、これらは間違っています。政治家の義務は歴史を記述することではなく、歴史上起こったこと、終わったことを知識や文書や証拠の光の下で議論することです。こんな法の制定を私たちは正しいとは認めません」と述べた。

公正発展党のイスタンブル県選出国会議員、オクタイ・サラル氏は、社会において国民の価値観にもとづき承認されている歴史的事件や人物を、馬鹿にしたり侮辱したり歪めたりするもの、あるいは実際とは全く異なるように描く映画(を制限するための)法案を準備し公正発展党会派代表局に提出した。

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( 翻訳者:小川まどか )
( 記事ID:28647 )