4か月で300回出火の「呪われた一家」をスィイルト県知事、支援
2012年12月24日付 Milliyet 紙


スィイルト県のアイドゥン知事は、「イスタンブルの先生(ホジャ)が、以前、同じような目に遭った一家の問題を解決したそうだ。 (今回原因不明の火事で困っている)家族は、『私たちをその先生のところへ行かせてください』と言っており、我々としても彼らをイスタンブルへ送るつもりだ。我々の手にも負えない問題だ、経済的支援はしたい」と述べた。

スィイルト県中心部のエヴレン街区に妻と子ども、母親と住んでいる無職のゼキ・トプラク氏は、これまで四回も別の街区に引っ越したにもかかわらず、移った先々の家で超自然的力による火事に遭ったと主張し、4カ月で300回も所持品が燃えたと話している。小学5年生の娘メレキちゃんの、コートや本、教室で彼女が座っている列のテーブルクロスが燃えたという。トプラク家の人々が、家で火を用いることができなくなったと語ると、温かい食べ物の支援が開始された。スィイルト県知事府をはじめとする諸団体が、トプラク家の奇妙な火事疑惑の真相を解明しようと調査を始めた。この件がメディアで報じられた後、スィイルト県のムフティーであるファルク・アルヴァス氏は、コーランにジン(精霊)というものが登場するとし、一連の火事は「ジンの仕業かもしれない」と仄めかした。

■県知事:我々の手にも負えない

スィイルト県のアフメト・アイドゥン知事は、トプラク家には4人の子どもがいて、そのうち二人は学校に通っていること、このうちの一人だけが学校で火事に遭遇したことを明らかにし、次のように語った。「なぜなのか説明できない。例えば学校で子どもの教科書が突然燃えている。解明するのは不可能だ。我々は県としてできるかぎり経済的な支援をしている。スィイルト大学の先生方が関心をもち、学長もこの件を注視している。ムフティーの先生方はジンの仕業かもしれないと言っている。物理的にこれを説明するのは不可能だ。トプラク家はイスタンブルのとある先生の連絡先を手に入れたそうだ。この先生は以前、同じような目に遭った一家の問題を解決したという。彼らは、『私たちをその先生のところへ行かせてください』と言っており、我々としても彼らをイスタンブルへ送るつもりだ。我々の手にも負えない、経済的な支援はしたい。」

■局長:私は目撃した

スィイルト県家族・社会政策県担当局長のアイドゥン・サユン氏も、3~4か月前、自分たちの身にもこの現象が起こり、調査のために訪れた家で火事に遭遇したという。サユン氏は「出火した部屋にはそのとき誰もいなかった」と語り、自分たちも恐怖を覚えたと話した。サユン氏は、ムフティーの「ジンかもしれない」という発言に言及し、「家主であるゼキ・トプラク氏は、以前イラクから先生を連れてきてコーランを読んでもらったこと、その時は火事が少々減ったがそのうちに再び増加したことを語った。我々は経済的な支援をしているが、この事件は経済的に解決できることではないと私は感じている」と述べた。サユン氏は、誰もこの現象を止めることはできなかったと付け加えた。

■念力か?

超自然現象の専門家ギョクハン・ハニ氏は、これはパイロキネシス(発火能力)と呼ばれる能力のせいかもしれないと述べた。ハニ氏によると、パイロキネシスは無意識のうちに念力によって発火させる先天的な能力であり、コントロールできるものだという。ハニ氏は、この能力を持った人物の念力は、間に壁があって も30メートルの範囲まで届くものだとし、「この現象はジンとは関係ない。イマジネーションと我々が呼ぶ対処法によって当人に気付かれることなく暗示をかけることで、この能力をコントロールすることができる」と語った。

■もしくは放火癖か?

一方、精神科医によるとこの現象は「放火癖」と呼ばれる症状によって説明できるという。セダト・オズカン教授は、この事件を聞いてまず先に、特に児童期に見られる「放火癖」を思い浮かべたと述べ、「放火癖では、意図や明確な動機なしに火をつける。ここで大切なのは次の点である:その人物は、明確で具体的な意図もしくは動機、損得がなく、完全に意識的ではない半意識的な状態で放火を行なう」と語った。

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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:28687 )