エジプト:不安定な情勢がいまだ観光産業に影響
2012年12月30日付 Al-Ahram 紙


■航空各社、エジプト便を週1万8千席キャンセル

2012年12月30日『アル=アハラーム』

【ラシャー・アブールマジド】

2012年11月までにエジプトを訪れた観光客は約1,050万人で、約90億ドルをエジプトにもたらしたが、特に最近の一連の政治的な事件を受けて、今年はさらにその落ち込みが継続すると思われる。

これらは、エジプト観光会議所連合のイルハーミー・アッ=ズィヤート氏が明らかにしたものであるが、憲法宣言の発布に端を発する一連のデモの結果として、エジプトへの渡航の予約は激減した。11月、12月の2か月の予約に影響しただけではなく、来る1月・2月や春のシーズンの予約にも影響が広がった。

世界の航空会社は12月初頭から1月まで、エジプト行航空便の1週あたり約1万8千席のキャンセルを発表した。

アッ=ズィヤート氏は、観光産業にとって、エジプトに安全と安定が戻らないことによる難局が続くであろうと強調した。

エジプトの観光産業は2011年の1月25日革命の後から打撃を受け始めた。ホテル業界や観光地では、2010年のピーク時に比べ深刻な低迷を記録している。2010年には、1,470万人の観光客がエジプトを訪れ、観光収入は125億ドルに達していた。しかし、2011年に観光客は減少始め、その数は890万人まで落ち込み、観光収入は89億ドルに減少した。

不安定な情勢や、衛星放送を通じて放映されるデモの継続を受け、2012年に入っても観光客の減少は続いた。そして、これらはエジプトへの観光供給市場に対して、非常にネガティブなメッセージを与えたことから、去る11月末までの観光客は1,050万人に留まり、観光収入は90億ドルと減少した。

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( 翻訳者:小島明 )
( 記事ID:28740 )