カイロ:アラブ緊急閣僚級会議で国連憲章第7条の適用を要求、シリア停戦決議の採択を安保理に呼びかけ
2013年01月14日付 Al-Ahram 紙
■カイロ:アラブ緊急閣僚級会議で国連憲章第7条の適用を要求、シリア停戦決議の採択を安保理に呼びかけ
2013年1月14日『アル=アハラーム』
【アル=アズブ・アッ=タイイブ・アッ=ターヒル】
アラブ連盟事務局長ナビール・アル=アラビー博士は、シリアにおける停戦のため、国連憲章第7条に基づいて安保理の拘束力のある決議を採択する必要を強く訴えた。アル=アラビー博士は、この安保理の拘束力のある決議こそ、シリアにおける暴力を停止する唯一の道であると述べた。
昨日(13日)パレスチナ首相のサラーム・ファイヤード博士の参加を得て開催されたアラブ連盟の緊急外相級会議の開会挨拶において、アル=アラビー博士は、シリアに関する国連・アラブ共同特別代表のアル=アフダル・アル=イブラーヒーミー氏や、国連事務総長潘基文と、集中的に連絡を取ったことを明かした。アル=アラビー博士は、まず第一に安保理がシリアでの停戦を課す拘束力のある決議を採択し、国連がシリアに平和維持軍を派遣する準備を整える必要があると訴えた。
アル=アラビー氏によると、アラブ諸国とアラブ連盟は、昨年6月30日に発表されたジュネーブ宣言の内容を遂行するためのメカニズム構築に向けて動いている。この宣言はシリアでの平和的移行プロセスに関するものであり、全権を有する移行政府の樹立を促している。アル=アラビー博士は、アラブ連盟がシリア危機の政治的解決策定に取り組む間に丸一年が過ぎたことに強く遺憾の意を表した。しかしながら、シリアの案件を安保理に伝えるために一年かかったものの、危機解決の面でのいかなる前向きな進捗はなく、停戦に関する国連憲章第7条に基づいて安保理の介入が必要となったことを警告した。
アル=アラビー氏はまた、社会問題担当事務局長補佐のファーイカ・アッ=サーリフ大使をアラブ連盟の使節団長として派遣すると発表した。この使節団は、シリアの近隣国であるヨルダン、レバノン、イラクに赴き、難民の状況調査および本件に係る国連との調整を行うものである。
一方、アラブ連盟の今期議長であるレバノンのアドナーン・マンスール外相は、自国におけるシリア人避難民の状況についての広範な報告を行い、次のように指摘した。アラブ連盟は1年4ヶ月の間に15回以上の会議を開催し、数多くの取組みや決定を行ってきた。だが、様々な当事者間の政治的正義の実現と戦闘の停止は最終的に不可能であり、その結果、状況の悪化を招き、レバノンや他の近隣諸国へ何万というシリア人が流入することとなった。
マンスール外相は次のような見解を示した。政治的対話の実施に至らないこと、シリア内での政治的対話の不在、国外からの武器や資金の流入、外国人武装勢力のシリア国内侵入、これらが危機の悪化とレバノンへのシリア人難民の流入を招き、レバノンの力ではこの問題に対処しきれなくなった。
またレバノンのワーイル・ファーウーリー社会問題大臣は以下のように述べた。レバノン政府はこのような流れにおいて、シリアの悪化する治安状況から逃れてきた避難民の救援、住居の提供、保護についてあらゆる面をカバーすべく動いている。そして、ファーウーリー大臣は、今の状況は人道的なものを超え、民族そして同胞としての義務となっていると明かした。
殺戮や破壊から逃れてきたどの家族にも国境を閉ざさないことに関する政治的問題をめぐって相違点はあるものの、レバノン政府内にはある合意が存在する、とマンスール外相はいう。マンスール外相は、シリア人の送還は決して行わないと強調し、そのようなことが言及されたことは全くないとした。
外相たちはまた、最新のパレスチナ情勢や、中東の核廃絶に関する国際会議の延期に関する特別決議について協議するため、非公開ワーキングセッションを開催した。
(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介
されています。)
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( 翻訳者:児島祥子 )
( 記事ID:28872 )