ジャーナリスト・メフメト・アリ・ビランド、死去
2013年01月17日付 Milliyet 紙


メフメト・アリ・ビランド氏が亡くなった。トルコのもっとも愛すべきテレビスクリーンの顔の一人であるメフメト・アリ・ビランド氏の訃報について、息子のウムル・ビランド氏は目を涙で濡らしながら明らかにした。病院も公式に発表を行った。

ベテランジャーナリストのメフメト・アリ・ビランド氏が亡くなった。カナルDグループの会長であるメフメト・アリ・ビランド氏が治療先のヴェフビ財団アメリカ病院で亡くなったと報道された。胆道における狭窄に対処する治療を受けていたメフメト・アリ・ビランド氏は心臓疾患が原因で、集中治療室で看護されていた。

■彼をあなた方の目前に連れてくることができなかった

ベテランジャーナリストであるメフメト・アリ・ビランド氏の死後、彼の息子ウムル・ビランド氏は報道関係者向け発表をおこない、「申し訳ありませんが、メフメト・アリ・ビランド氏をあなた方の目前に連れてくることができなかった。本当にありがとうございました。気を落とされませんように」と述べた。

■目に涙を浮かべて死を知らせた

ウムル・ビランド氏はその会見の場で「昨晩ごく普通の手術の後に父の心臓が停止した。行える全ての処置を施したにもかかわらず、心臓は再び動くことがなかった。そのすぐ後に生命維持装置が取り付けられた。残念なことに今夜6時29分に父を失った。彼は痛みを感じることはなかったと思っている。なぜなら手術は大変簡単なものであったはずだからだ。火曜夜、番組に出演するためにスレイマンさんに指示を下しさえしていました。私たちとも会話していました。予期せぬ形で、突然父を亡くしました」と述べた。

「父は71歳でした。関係のあった方もない方もいらっしゃるでしょう。最期まで私と母が傍にいました。面会に来た人々、電話をくれた人々、訪れ、待った友人たち、職場の同僚たち、政府の高官ら面識のあるないすべての関係者に感謝しています。申し訳ありませんが、メフメト・アリ・ビランド氏をあなた方の目前に連れてくることができなかった。本当にありがとうございました。気を落とされませんように。」

■アイドゥン・ドアン氏:激しい感情がこみあげている

ドアン・ホールディングスの名誉会長であるアイドゥン・ドアン氏はカナルDの生放送に出演し、ビランド氏の死について述べた。ドアン氏は心境を以下のように語った。

「激しい感情がこみあげている。それ以上に言うべきことはない。トルコのジャーナリズムは偉大なジャーナリストを失ったと思う。出版界でもテレビ業界でも。駆け出しの記者たち皆がジャーナリズムにおける成功者としてメフメト・アリ・ビランドを模範とするだろう。すごい興奮、成功、成功を遂げた人物だった。思いもせぬ時にこんなサプライズをおこなった。私の心は大変痛んでいる。彼の空白を簡単には埋めることはできない。安らかに。神のお慈悲を。神のなされたことでしょうから、どうしようもありません。安らかに。」

■著作、ドキュメンタリー、手にした栄誉

71歳であったメフメト・アリ・ビランド氏の長いジャーナリズム活動にふさわしい数多くの著作を読者、視聴者、世間におくった。

キプロス介入作戦の裏側、トルコの作戦後における対外関係を扱った「白熱の30日」(1976年)と「報い」(1979年)、トルコ・ヨーロッパ関係を題材にした「ある日曜日の物語」と「トルコのヨーロッパ冒険」、トルコ国軍の行為を説明した文民によって書かれた唯一の本である「命じよ、我が司令官殿 (1986)」、「9月12日午前4時(1983)」、「APOとPKK(1988)」という書籍を執筆した。1989年には「キプロス」に続いて5月27日クーデターを扱った「デミルクラト」、次いで「3月12日」、「9月12日」、「オザルの時代」というドキュメンタリーも制作した。

ビランド氏は、何百もの会議や国際的組織に参加して、大変な数に上る賞を手にし、その一部を抜粋した。その栄誉は以下の通りである。欧州評議会の「今年の記者賞(1987年)」、TUYAP書籍フェア―の「今年の作家(1976年)」、ライオンクラブ 記念財団の「メルヴィン・ジョーンズ・フェローシップ賞(1993年)」とフランスのシュヴァリエ勲章(同年)。

■メフメト・アリ・ビランドとはどのような人物か?

1941年に生まれたメフメト・アリ・ビランドはガラタサライ高校の卒業生である。彼は1964年に本紙で記者生活を始めた。アブディ・ イペクチの後任として短期間、本紙の編集長を務めた。サバフ紙ではコラムニストを務めて、トルコ国営放送とショーTVで「32日」という番組に出演し、ショーTVではメインニュースに出演していた(1992年から1995年まで)。CNNトルコの役員の一人になるとともに「32日」、カナルDではメインニュースに出演していた。

■カナルD「彼が亡くなったことを大変残念に思っている」

ベテランジャーナリストであるメフメト・アリ・ビランドが亡くなった。彼の死についてカナルDも発表をおこなった。発表は、以下のよう。

カナルDニュースグループ会長で我が局のメインニュースの総合司会者であり、ベテランのジャーナリストであり、敬愛すべきメフメト・アリ・ビランドは私たちの手の届かない場所に旅立った。仕事や関心のあることに向けた情熱、同僚の育成、人生の充実について、いつも我々が見本としているメフメト・アリ・ビランドは、我々全員の兄貴分であり、兄弟であり、敬愛を集めていた特別な存在であった。彼を失ったことを大変残念に思っている。彼の家族、近親者、メディア業界にお悔やみ申し上げます。神のご慈悲を。ご冥福を…。 カナルD一同より

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( 翻訳者:齋藤洋輔 )
( 記事ID:28920 )