アルジェリアの人質救出作戦、悲劇に
2013年01月18日付 Milliyet 紙


アルカイダ系組織が、フランスによるマリ作戦への報復としてサハラ砂漠にある天然ガスプラントでとった人質に対して行われたアルジェリアによる作戦は、大きな失敗に終わった。アルジェリア軍のヘリコプターが砲撃をした結果、「覆面団」あるいは、「血判団」と名のる15人のテロリストと並んで、34人の人質が犠牲になった。

現時点では人質に関する公的な発表は行われていないが、イリズィ市にある施設にいるテロ組織メンバーは、モーリタニアの通信社ANIに対し、この情報を認めた。

■人質は連れ去られようとしていた

イギリスのBP社、ノルウェーのスタットオイル社が運営する天然ガスプラントに対し軍により行われた空爆は、人質を他の地域に連れて行くためにテロ組織メンバーが人質を車に乗せようとしていたときに実施された。軍による作戦ののち、テロ組織の報道官の一人は、アメリカ人、イギリス人、ベルギー人、日本人からなる7人の人質だげか助かったと述べた。

この作戦で、施設内にいたテロ組織のリーダー・アブー・アル=バラアも死亡した。ロイターに語った地元の人は、25人の人質は、軍事作戦のさ中に脱出に成功し、亡くなったのは6人だけだと述べている。アルジェリア軍は、残っている人質の救出のため、作戦を継続していると述べた。軍事作戦のさ中、4人の外国人人質はアルジェリア軍のおかげで自由の身になったという。軍は、空と陸から作戦を続けている。施設内にいる600人のアルジェリア人労働者は解放された模様。軍は、テロ組織メンバーの多くが死んだと発表した。ロイターに話したある証言者は、アメリカがこの地域の偵察のため、無人偵察機を送りこんだと述べている。

■アメリカ、イギリスから反発

軍事作戦に対し、日本、アメリカ、イギリスが反発を示した。日本のキウチ・ミノル外務副大臣(注:城内実外務政務官)は、アルジェリア軍による軍事作戦は即刻中止されるべきだと要望した。イギリスのキャメロン首相の報道官は、作戦について事前に相談はなかったと述べた。ホワイトハウスの報道官も、アメリカは事態を憂慮しており、事件を非難し、死者の数に関しアルジェリア政府が発表するよう求めた。

■「イスラム教徒は殺さない」

テロ組織メンバーらは、マリへの逃亡に許可が与えられない場合、人質を殺すと脅迫していた。しかし、アルジェリア当局はこれを拒否した。天然ガスプラントに対し、昨日、「覆面団」によって行われた襲撃で、一人のイギリス人と一人のアルジェリア人が死亡し、6人が負傷、41人の外国人が人質にとられていた。救出されたアルジェリア人の人質のうちの一人は、テロ組織メンバーらが、「イスラム教徒は殺さない」と言っていたと述べている。

■リーダーは、「ミスター・マルボロ」

アルジェリアで襲撃を行ったグループのリーダー、ムフタール・ベルムフタールは、アフガニスタンで片目を失ったことで知られている。タバコの密輸にかかわっていたため、「ミスター・マルボロ」の綽名で知られていた。ベルムフタールは襲撃を自らのグループが行ったことを認めるビデオを公開した。彼は、難民の斡旋や、麻薬と武器密輸を行っていたといわれる。



(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:28925 )