自爆犯の父、語る「自分を焼き、家族をも・・」
2013年02月02日付 Radikal 紙


アンカラの米国大使館入口で爆破した自爆犯エジェヴィト・シャンルの父サドゥク・シャンルさんは、「息子は自分から炎のなかに飛び込みました。自分を焼き、私をも焼いてしまった。」と語った。

アンカラの米国大使館で、昨日、自爆攻撃を行ったDHKP-C(革命人民解放党=戦線)メンバーの自爆犯、エジェヴィト・シャンルの父サドゥク・シャンルさん(70歳)、母ギュルスュム・シャンルさん(70歳)、未婚の弟アリ・シャンルさん(全員オルドゥ県ギュルテペ郡在住)は、今回の事件にショックを受けている。
ギュルテペ郡アキョレン区で農業を営みながら暮らすサドゥク・シャンルさんは、3女4男の父親だ。今回の事件をテレビ報道で知り、息子の写真を目にしてショックを受けたという。

■「世界に逆らうことはできない」

父のサドゥク・シャンルさんは、息子とは15年間まったく会っておらず、兵役終了後は彼がイスタンブルへ行ったと明かし、次のように語った。
「私にはなんの知らせもありませんでした。息子とは15年間一度も会っていません。息子は自分で炎に飛び込み自らを焼き、家族をも焼いてしまった。
私は国家に忠実です。どうしてこんな事件に手を汚してしまったのか、何をしたのか、まったく分かりません。昔、息子は精神疾患と判定されて刑務所から出所しましたが、うちに数日滞在して出て行きました。その後はなんの知らせも受け取っていません。イスタンブルで暮らすほかの子供たちも、あの子からの知らせを受け取っていませんでした。事件をテレビで知りショックです。子供を悪い方向へやる親などいません。息子は4年間刑務所で過ごし、国に赦されたのです。国に切られた指なら痛みません。世界に逆らうことはできません。これは愚かな行為です。アッラーがそのようにおっしゃっています。
私たちは非常に辛いです。息子の遺体は村に戻します。誰も恨むことはできません。どうしてこんな事件に手を汚したのか、見当もつきません。」

■区長:「しばしば軍警察に尋ねられた」

自治体の首長であるアデム・シャンル区長は、この1年間、軍警察がエジェヴィト・シャンルを郡内で捜索していたことを明らかにし、つぎのように語った。
「何度か軍警察に尋ねられましたが、彼の行き来はなく、目撃もしていないし、そのような情報もないと話しました。度々、彼が村に来てないか話しましたよ。調査目的ではなく、立ち話程度に話していたんです。我々は15日に一度警察署へ出向きます。話のなかでエジェヴィト・シャンルが来ることがあれば警察署に知らせるようにと言われました。軍警察は何度かエジェヴィト・シャンルの家族とも会っていたようですが、目的はわかりません。」

■兄は弟を組織から救出しようと尽力

郡内では、エジェヴィト・シャンルが国外に出たという噂も流れていたが、遠方の親族であるシャンル一家の誰にも彼からの知らせがなく、事件についても知らなかったとアデム・シャンル区長は強調した。
また区長は、エジェヴィト・シャンルの兄ハサン・シャンルさんが、弟を組織から救出しようと多大な努力を費やしており、エジェヴィト・シャンルは小学校卒業後、故郷を離れ働きながら、家族に何度か送金し援助していたこと述べた。
アデム区長はつぎのように続けた。
「彼は兵役後イスタンブルにへ行きました。その後、刑務所に入ったと聞いています。精神疾患により出所し故郷に戻りました。その時、両親の元に3~4日滞在して、その後はまたイスタンブルに行っています。それ以降、彼からの知らせはなかったようです。彼の兄ハサン・シャンルさんはイスタンブルで暮らしており、ハサンさんは、弟を組織から救出するため、土地や家を売っています。刑務所に入所していた時にも手厚く援助していたようです。組織から救出しようと試みたものの、助けられませんでした。」

■多方面からの捜査

一方で、トルコの国家諜報機構(MİT)や、オルドゥ郡軍警察司令部、県警テロ対策支部、ギュルゲンテペ村警察署の捜査斑らも、今回の事件を多方面から捜査している。
保安部隊は昨夜、エジェヴィト・シャンルの父親宅を訪れ、父サドゥク・シャンルさんの証言を聴取し、家族一人一人や親族からも情報聴取した。母ギュルシュン・シャンルさんは、自宅を訪れた保安部隊に、涙ながらに証言したという。

■葬儀のため兄がアンカラへ

自爆行為の結果、命を落としたエジェヴィト・シャンルの葬儀はアンカラで行われる。葬儀後、彼の遺体はオルドゥ郡に返されるため、兄のアリ・シャンルさんがアンカラへ向かった。
エジェヴィト・シャンルの葬儀は剖検完了後に執り行われ、陸路にてオルドゥ県ギュルゲンテペ郡に帰ってくる。シャンルの遺体はアキョレン地区の家族墓地に埋葬されるという。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:29115 )