ドイツでの因習殺人事件、教唆の父親に禁固刑
2013年02月05日付 Radikal 紙


ドイツにロシア人の恋人がいることを理由に兄弟により殺害されたマルディン出身のアルズ・オズメンさんの父親に「教唆」罪で6年半の実刑が下された。

ドイツにロシア人の恋人がいることを理由に兄弟により殺害されたマルディン出身のアルズ・オズメンさんの父親に「教唆」罪で6年半の実刑が下された。

ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州デトモルト市にて2011年11月1日に家族が反対したロシア系のアレクサンダー.Kという名の恋人と会い続けたことを理由に兄弟に自宅から拉致・殺害されたアルズ・オズメンさん(20歳)の事件で、被害者の父親のフェルディ・オズメン(53歳)に「殺人教唆と傷害」の罪で6年半の実刑が下された。

ドイツメディアも詳しく報じていたアルズ・オズメンさん殺人事件で、被害者の父であるフェルディ・オズメンが公判に付された事に、大きな反響があった。テレビチャンネルの多くが同訴訟を詳細に伝えた。家族が、20歳の恋人アレクサンダー・K氏との交遊関係に終止符を打つよう圧力をかけたことを受け、2011年8月に女性保護施設で暮らしはじめ、同年11月1日に覆面姿の3名により拉致されたアルズ・オズメンさんは、数日間の捜索後にリューベック市近郊のゴルフ場で遺体となって埋められた状態で発見された。ドイツメディアは、同家族の信仰では、異教徒と結婚した女性あるいは男性は除外されると報じた。アルズさんの遺体がマルディン県ミドヤト郡にてヤズィーディーの信仰に基づき埋葬される際、兄弟3名は殺人罪で逮捕された。

■ 判決の過程でヤズィーディー専門家に助言が求められた

昨年9月、オスマン・オズメンは、妹を2人の兄弟の力を借りて拉致した後、銃で殺害したと供述し終身刑に処せられた。別の兄弟であるシリン・オズメン、キレル・オズメンに対しては、アルズさんの拉致及び殺人幇助の罪でそれぞれ10年、エルヴィス・オズメン及びケマル・オズメンに対しては、妹の拉致に加わったことを理由にそれぞれ5年半の実刑が下された。
同訴訟後に、(被害者の)父親フェルディ・オズメンに関してデトモルト州裁判所にて、子供達への殺人教唆罪を理由に未勾留のまま裁判が開始された。父オズメンは弁護士らに渡した弁明書の中で、娘アルズがドイツ人の恋人アレクサンダー・Kのもとへ逃げたために棒で殴ったが、殺害までは、息子たちに求めなかったと弁明した。
判決の審理で、検事はフェルディ・オズマンが、成人した息子5名が娘アルズを拉致し、名誉殺人を行ったのを妨げず、彼女に恋人がいたという理由で彼女を複数日時に渡って暴行したことを明らかにし、8年9か月の実刑を要求した。
判事団は、ヤズィーディー及び因習殺人の専門家としてフライブルク大学心理学研究所教員であるジャン・イルハン・クズルハン教授を公聴した。クズルハン教授は、ヤズィーディーの信仰によれば、男性あるいは女性が異教徒と結婚することは容認不可と認識されていると伝えた。
先の審理で、殺人に関与しておらず、複数日時に渡って娘を棒で殴ったことを反省していると伝えた父フェンディ・オズメンは、裁判所により有罪とされ、逮捕決定が下された。

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( 翻訳者:藤井庸平 )
( 記事ID:29140 )