送金の流れ逆転:昔は国外から、今はトルコリラが国外へ
2013年02月10日付 Hurriyet 紙


グローバルな経済危機が世界経済における様々な状況を変化させる中、世界の送金の流れにも変化を起こした。世界最大の送金グループ ウェスタンユニオンのトルコ系CEO、ヒクメト・エルセキ氏は、「トルコはかつてドイツにいるトルコ人労働者から送金される国であったが、最近ではヨーロッパにおける経済危機のために困難な状況にある親類に送金する国になった」と話した。

先進国がより強い影響を受けているグローバルな経済危機が世界経済の重心を西から東に変えている中、送金の流れは正反対になっていることが話題となった。

以前は西側の先進国から、東側の発展途上国や未開発国に送金がされていたが、最近では送金の流れは東から西へ、正反対に方向を変えた。同様の状況が、グローバル経済危機の中での金融部門の健全な状態と、経済成長におけるパフォーマンスで注目されるトルコにも当てはまる。
現在まで、ドイツに出稼ぎに行った多くの労働者の祖国として知られるトルコは、ウェスタンユニオンのような送金を行う会社から見て、「送金される」国であった。しかしフィナンシャル・タイムズに掲載されたジリアン・テット氏の記事によると、この状況はドイツやフランスがヨーロッパにおける経済危機の影響を受けたことにより変わったという。ウェスタンユニオンのデータによると、かつてドイツやフランスで働いていたトルコ人労働者は家に、つまりトルコに送金していたが、現在ではトルコに住むトルコ人 が、ヨーロッパに住む親類に送金している。 

■30%増加

世界最大の送金グループの一つで、アメリカに本社を置くウェスタンユニオンのCEO、ヒクメト・エルセキ氏は、2012年以降送金の流れに変化が起きたとし、「トルコはもはや西側の先進諸国で働くトルコ人がトルコにいる親戚に金を送る国ではない。トルコは現在ヨーロッパでの経済危機のために困難に陥った、ドイツやフランスにいる親類に金を送る国である」と述べた。エルセキ氏は、トルコからドイツへの送金の割合が2012年は全ての送金取引額の30%にまで達したと話した。エルセキ氏は以下のように述べた。:「今から数年前のトルコの全ての送金取引額を見てみると、90%はトルコに送られる金であったが、この状況はもう変わり始めた。これは近年の経済成長の結果のうちの一つである。非常に大きな変化である。」

■ロシア・メキシコ・韓国

トルコと同様にメキシコ・韓国・インドネシアも最近では「送金される」国ではなく、「送金する」国になっているとするエルセキ氏は、送金の流れに起こっている変化を以下のように説明した:「スペイン・ポルトガル・ギリシャだけでなく、ドイツ・フランスといった国でさえ、送金される国となっている。以前は送金される国の筆頭だったロシアも、全く逆の流れが起きている国の一つである。現在ロシアは、3番目に大きな送金する国となっている。アメリカも送金される国に近づいていると見られている。」

■労働者送金が希望になった

トルコ経済がたびたびおこなってきた経済発展政策において、ドイツを筆頭としたヨーロッパにおけるトルコ人労働者の外貨をトルコに引き寄せる努力が含まれていた。最近ではトゥルグト・オザル第8代大統領が、ドイツにいるトルコ人労働者の貯金をトルコに送るよう呼びかけ、当時のトルコではかなりの量の外貨収入が得られ、当時特にインフラの整備、橋や高速道路の建設のようなプロジェクトの実行に努めていたトルコにとってこれらの金は希望となった。

■1秒間に28件の送金

ヒクメト・エルセキ氏は、世界中で行われている送金の額が平均350ドルであると述べ、「これらの少額の送金の流れが、世界経済における大きな変化を示している。世界で2億人が送金していると見られている。ウェスタンユニオンは1秒間に28件の送金業務を行っている。この会社は2011年に180億ドルの送金を実現した」と話した。ミクロでのこの金銭的な動きは、世界経済の真の姿を示すデータを提供している。業界全体では1年間に約5000億ドルが送金されたと推測されている。

■スペインも「送金される」国

世界の送金の流れは、世界経済と各国の経済情勢に関する重要な手がかりを与えている。例えば、スペインは今から4年前、メキシコ・ラテンアメリカ・北アフ リカから出稼ぎに来た労働者が家に「送金する」国であったが、最近では仕事のないスペイン人の若者がこれらの国に仕事を探しに行くという状況が見られる。 スペインは今や「送金される」国となっている。

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( 翻訳者:菱山湧人 )
( 記事ID:29216 )