Huseyin Gulerceコラム:BDPの黒海演説の中断で考える
2013年02月20日付 Zaman 紙

平和民主党(BDP)所属国会議員スッル・スュレイヤ・オンデル、サバハト・トゥンジェル、エルトゥールル・キュルクチュ各氏および無所属のイスタンブル選出国会議員レヴェント・チュゼルは「新しいクルド問題解決プロセスを説明するため」黒海地方遊説へと出発した。

スィノプで彼らに向けて行われたこと、サムスンでの彼らへの態度は、我々がいかに組織化された挑発行為に直面しているかということを、またすぐそばで待ち受けている脅威がいかに大きいかを物語っている。そう、新しい解決プロセスは以前のものと著しく異なっている。社会の大部分が支持をしている。特にテロにより最も大きい被害をうけた東部、南東部では、人々はもはや流血が終わり、平和が訪れるよう、力強い意志をしめしている。親愛なる首相へ、マルディンとBDPの拠点クズルテペで示された関心や親愛は、多くのことを物語っている。

PKKのテロは、トルコにおける最重要課題である。この問題を解決するトルコは、この地域、そして世界で何年にもわたって輝くであろう。この地域で私たちが切望している平安、安定そして安寧の扉は、広く開かれることになるであろう。

この結果は、2つの勢力をイラつかせるものであるし、実際イラつかせることになるであろう。
一つは、国家の内部に存在する非合法な組織。つまり体制維持をはかるエリートたち。未だに抵抗を続け、勢力を拡大しようとしている。他方で、トルコがこの地域、特に中東、アフリカ、中央アジア、バルカン諸国そしてカフカースで「国際的な存在」となることを望まないこの地域の国々と西側諸国・・・トルコが自身の価値観、歴史そして文化的ポテンシャルを持ち、トルコとして立ち上がるのを望まない者たちは、解決プロセスを妨害するためどんな手でも使ってくるであろう。

解決プロセスは、さまざまな挑発により妨害されるようとしている。パリでのPKKの3人の女性が殺害されたこと、アンカラでアメリカの大使館が自爆攻撃を受けたこと、ハタイのジルヴェギョズの国境検問所で爆発事件が起こったこと、これらをこうした視点で見る必要がある。しかし挑発の中で一番危険なものは、敏感な地域でトルコ人とクルド人の衝突が起こることである。他の挑発行為がもたらすマイナスをのりこえ、解決プロセスは前に進む可能性があるだろうが、しかし人々の間に「兄弟の争い」が入り込むという危険性は、なにものにも例えようがない。神に感謝するが、何千もの犠牲者の遺体、未解決の何千もの殺人、そして村を焼き払い、村を廃墟にし、拷問を行い、クルド人をなきものとし、同化しようとするにもかかわらず、私たちの兄弟のきずなにおいて、共に生きるという我々の意志において、揺るぎはなかった。我々が偉大な国民であるという真実は、最も重い試練をくぐり抜けた。しかしまだ終わってはいない。今はしっかりと手綱を締める時期である、挑発を無効にする時期である。

私は親愛なるスッル・スュレイヤ・オンデル氏をよく存じ上げているので、一言申し上げたい。あなたの真摯な態度に対し、私には考えがあります。私たちの国会議員がトルコのどの地域に行こうとも、私はそれを支持しますし、国家の治安警察の保証の下であなたはそうすべきであるということも知っている。あなたが、教職員組合支部で写真に写っているまるで囚人のような、あのあなたの姿を見て、私は本当に悲しくなった、信じてください。国会議員にたいし、誰であれこのような扱いをしていいとは思わない。こうした状況は、良心ある人には耐えられない。しかしながら、準備された挑発行為やこれから起ころうとしている危険にあなたも気づいていると、私は信じている。私が思うに、今はその時ではないと思う。私たちは今最も危険で、最も難しい路線を歩んでいる。解決プロセスが、私たちが切望する和平をもたらすよう、私はあなたとともにどこへでも行く覚悟はできている・・・

警察や諜報機関が細心の注意をはらい、措置をとることは、今現在にとって、致命的な重要性をもつ。スィノプで4人の国会議員が9時間にわたってある建物に閉じ込められたことは、諜報機関の弱さや治安力に弱点があることを表している。写真をみると、関係者は問題がどこまで拡大するかを予想できなかったことがわかる。弁解はしないし、できない。今後のため、関係者は十分な対策をとる必要がある。

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( 翻訳者:藤田昌弘 )
( 記事ID:29318 )