イラク:警察の発砲でデモ参加者が死傷
2013年03月09日付 al-Hayat 紙


■モスルで警官の発砲により死傷者。サーマッラーで「サフワ」のメンバー5名が暗殺される

2013年3月9日『アル=ハヤート』

【バグダード:本紙】

モスル(バグダードの400キロメートル北)で起きた警官とデモ隊の衝突の結果、2名が死亡、9名が負傷した。死傷者は、昨年末にイラク複数の都市でデモが起きて以来、治安部隊とのこの種の衝突としては初の衝突で出た。一方、サーマッラーでは「サフワ」のメンバー5名が暗殺された。

サーリフ・アル=ムトラク副首相は「イラーキーヤ」に所属するイッズッディーン・アブドゥッラー・アッダウラ農業大臣がモスルでの事件に抗議して辞任する、と発表した。

また調整委員会は以下のことを明らかにした。「連邦警察はモスルで座り込みが行われていた広場に、フサイン・アル=ウバイドを拘束するために突入した。彼はアル=ジュブール諸部族の指導者のひとりであり、座り込みの主要な支援者の一人でもある。警察はデモ参加者達に発砲し、2名が死亡、少なくとも9名が負傷した」

モスルの連邦警察情報筋によると、座り込みが行われている広場に突入した部隊は、デモ参加者のうちの1名の逮捕状を持っており、デモ隊が警察に立ち向かい、解散させるために発砲せざるを得なかった。

1月末にはファッルージャで軍との衝突により6名のデモ参加者が死亡した。政府はこの事件に関する調査の開始と、加害者を法廷に差し出すことを約束した。しかしながら、今日にいたっても政府は何の結果も発表していない。

アンバール県の街々に加えて、モスル、サラーフッディーン、ディヤーラー、キルクークでは昨日(8日)ヌーリー・アル=マーリキー首相の政策を非難する数万人規模のデモが発生し、囚人の解放、脱バアス化法とテロ(対策)法の廃止を要求した。

過去には珍しいことではあるが、バグダード北部のアル=アアザミーヤ地区のアブー・ハニーファ・アン=ニウマーン・モスクでの金曜の集団礼拝が中止となった。これは厳しい治安処置が課せられたこと、礼拝者がモスクに入ることを禁止されたためである。こうした事態は、他の街と連帯したデモが数週間に渡って行われたアル=ダウラ、アル=ハドゥラーやアル=アーミリーヤでも繰り返し行われている。

昨日は、デモ隊の怒りが大きく膨らんだ。これはモスルでの事件と、アル=アアザミーヤ地区での集団礼拝が禁止させられたニュースが広がったのを受けてのことである。またファッルージャのデモ隊は政府に対し、24時間の猶予の間に拘束された諸部族の指導者たちを釈放するよう要求した。

イラクの政治家達は、スンナ派の街々でのデモが武力衝突に発展することを警戒している。これはデモ隊の要求を実現する上での政府の措置にデモ隊が満足していないためである。座り込みが行われている広場での演説者たち口調はこの数週間のうちに激化している。

一方、AFPが警察の中佐の話として伝えたところによると「サフワ」のメンバー5名が死亡、他2名もサーマッラー近くのチェックポイントでの攻撃で死亡した。また攻撃した側の4名が死亡したと伝えた。

(後略)


(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:篠原桃子 )
( 記事ID:29450 )