ロウハーニー師演説:経済政策批判からアメリカとの対話まで
2013年03月14日付 Mardomsalari 紙

 ハサン・ロウハーニー師が、最近たびたび社会の各層の人々の前に姿を現わし、盛んに演説を行っているのは、大統領選挙を戦う準備を進めているためと見てよいだろう。ここしばらくのロウハーニー師の動向からすれば、中道派的な政策を示すことで、、様々な政治グループを支持する人々にアピールしつつ、原理派から改革派まであらゆる立場の人々を、自分たちの陣営に取り込もうとの決意を固めているようだ。

 ホッジャトル・エスラーム・ヴァルモスレミーン〔※最高位「アーヤトッラー」に次ぐ高位の宗教指導者に対する尊称〕・ロウハーニー博士は、「闘う宗教指導者協会」中央評議会委員でもあり、テヘランの説教師協会の週会合で演説し、人々がこれまでにないほどのインフレと物価高と闘っていると述べ、次のように語った。

政権の実績を評価する試金石となるのは、5カ年開発計画と今後20年間にわたる展望である。第9期・10期政権[第1期・第2期アフマディーネジャード政権]は有効な措置を取りはしたが、本来の5カ年開発計画・20カ年長期展望に描かれていたものと比較するならば、大きく後退している。

 最高指導者専門家会議メンバーでもあるロウハーニー師は、さらに、次のように述べた。

7年前の政府の外貨収入は6,980億ドル(約66兆3,100億円)だったが、試算によると1391年〔2012年3月21日~2013年3月20日〕の外貨収入は7,600億ドル(約72兆2,000億円)に達する。過去のどの政権もこのような〔外貨獲得の〕機会には恵まれなかった。にも拘わらず、国民は未だかつて経験したことがないほどのインフレと物価高と闘っている。一部の政治家らがすべての問題を他国のせいにしていることは間違っている。制裁の影響を受ける前でさえ、政府が取ってきた措置は、国家の外貨収入に見合うようなものではなかったのだ。

 同師は専門家らやすべての相応な政治勢力とともに国家運営の様々な問題について協議していく必要性を強調した上で、次のように付け加えた。

次期大統領は、国家の目下の苦難を解決する義務がある。いかにこの仕事が、単独では不可能であり、経験と力を備えた実行チームと、[大統領任期]丸4年 を費やす実施計画を必要とするものであったとしても。

 現在の困難から抜け出すために次期政権の基本計画において特に留意すべきは、〔ロウハーニー〕戦略研究所所長が発言で言及した点である。同師は、計画策定のプロセスにおいて、世界情勢や他の国と比較した場合の我が国の現状を見極めていくことが、必要だとしている。

 公益判別評議会の政治・社会・安全保障委員会委員長も務める同師は、演説の別の箇所で、「外交政策の強化と改善によって、国の経済的発展をもたらす、より良い条件が整えられるだろう。核の権利を含めた国民の権利を国際的水準で追求し国際的な支持を取り付けることが、外交機関の果たすべき義務である」とも述べている。

 また、国家安全保障最高評議会の最高指導者代理も務めるロウハーニー師は、特にアメリカとの協議の可能性について、次のように述べた。

アメリカとの関係は、他の国々との関係とは異なる。なぜならアメリカ合衆国はイスラーム革命の勝利後、常にイラン・イスラーム共和国と敵対してきたからだ。しかし、イラン国民の利益を確保しうる適当な条件の下であれば、アメリカとの協議も革命最高指導者との連携によって、実現するかもしれない。最高指導者閣下のお考えは、最後の審判時までアメリカとの対話や国家関係を樹立しないというものではない。国家の栄光と利益が確保できる条件が整えば、同閣下は協議や国交をお認めになるだろう。

 イラクやアフガニスタン問題や核の問題のように、個々の問題について一時的に、二国間で協議が行われたことはこれまでにもあったことである。

〔…〕

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( 翻訳者:8410068 )
( 記事ID:29506 )