新たに45カ国、原子力発電導入へ
2013年04月07日付 Hurriyet 紙


急速に増大するエネルギー需要に揺れる石油燃料の価格が、多くの国にとって原子力エネルギーを魅力的なものにしている。グローバルデータ社の最新の調査によると、今日原発を所有しない45カ国が、近い将来これを利用し始める。トルコは次代の原発利用国の中で、アラブ首長国連邦に続き第2の原発市場になると見られている。

グローバルデータ社の調査による最新の報告では、議論の多いエネルギー資源である原子力に関する注目に値する洞察が述べられている。報告書では、2011年3月に起きた福島の原発事故後、ドイツとスイスのようにいくつかの国が原子力からの撤退を表明したのに対して、多くの国にとって、原子力エネルギーは今なお非常に重要であると強調される。2020年までに原子力エネルギーの生産は30%増加すると見込まれ、今日、原子力発電所を所持していない45ヶ国が、将来原子力を利用している国々の仲間入りをするだろう。トルコ、ブラジル、アラブ首長国連邦、ポーランド、タイ、インドネシア、ナイジェリアとヴェトナムなどがその一部である。

日本で起きた福島の原発事故は、多くの国が原子力エネルギーの利用について考えさせ、特にヨーロッパ諸国において、原子力からの撤退の波が生まれた。世界的には、2000年から2011年までの間には微量な増加を示していた原子力発電は、2011年から2012年になると急激に減少した。しかし、ロンドンに本社を置く調査会社グローバルデータによる最新の調査は、世界で新しい「原子力ルネッサンス」が起こるだろうと指摘している。今、原子力を推進しているのは、発展途上国である。

■198の新しい原子力発電所

グローバルデータ社は、2020年までに198の新たな原子力発電所が稼動するだろうとみている。2020年までに原子力発電所からの発電は今日の240万GWh(ギガワット時)程度から310万GWhとなり、世界規模で原子力エネルギーの生産は30%増加するという。報告書では、45ヶ国が原子力エネルギーへの移行を計画しており、アラブ首長国連邦が4基の新しい原子力発電所によって推進国になるだろうと強調する。

■最大の市場は

原子力燃料棒への最も大きな需要は、環太平洋地域にあるだろうと予測される。この地域に現在ある177基の原子力発電所のほかに、2013年から2020年までの間にさらに89基の原子力発電所が稼働するだろうと見られている。この時期に「増加する原子力国」の中で、原子力燃料棒の最も重要なる市場は、アラブ首長国であり、これにトルコに続くだろう。報告書によると、トルコでは2020年までに合計で979ユニットの原子力燃料棒を必要とするという。

■4,300メガワットの発電

グローバルデータ社によるトルコの分析では、トルコが原子力エネルギーを発展させる主要因として次の2点が挙げられる。
(1) ロシアとイランからの輸入ガスへの依存減少
(2) 増加するエネルギー需要への対応
トルコは最初の原子力発電所の建設の2015年の開始を計画しており、2020年までに4,300メガワット級の原子力発電所が建設予定だと強調している。

■ロシアとイランへの依存

また、トルコが石油の輸入をロシアとイランに過剰依存していることを指摘。「エネルギー資源の多様化を目指すトルコは、イランから輸入している石油の量を減らし、リビアからの輸入を始めた。さらにトルコは、石油の消費を原子力発電所という方法で減らすことを目指している」と述べられている。

■アンケートで評価を得たのは原子力ではなく代替エネルギー

報告書によると、トルコにおける原子力発電所の主要な障害は、燃料施設の不足と、原子力への世論の反発である。トルコで様々な機関によって行われたアンケートでは、社会の大多数が原子力発電所の建設に反対であることが明らかになったと強調されたが、「アンケートによると、トルコ国民は増加するエネルギー需要にこたえるため、代替エネルギーテクノロジーの発展に期待している」とされた。

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:29632 )