エジプト:ムルスィー大統領、タワドロス2世からの激しい批判にさらされる
2013年04月09日付 al-Hayat 紙
■エジプト:ムルスィー大統領、タワドロス2世からの激しい批判にさらされる
2013年4月9日『アル=ハヤート』
【カイロ:AFP】
コプト正教の総主教である教皇タワドロス2世は、ムハンマド・ムルスィー大統領に厳しい批判を向け、教皇が「祖国の象徴」と表現したエジプトの教会の総主教座(訳注:コプト正教会の長である総主教が居住する場所)を保護することを怠ったと非難した。それは、同教会の歴史上前例のない攻撃が日曜日に行われた後のことであった。
ムルスィー大統領は日曜、カテドラル(訳注:総主教座の意)の前で衝突が発生した直後、教皇タワドロス2世に電話で連絡を取り、その際に「カテドラルへの攻撃は私個人への攻撃」とみなすと強調した。同衝突では2名が死亡し、うち1名はコプトであった。
タワドロス2世は、オンTVに対する声明の中で以下のように述べた。「大統領閣下は私に電話連絡をし、安全を確認した。その時はまだ状況(衝突)が始めの段階であった。大統領はカテドラルを保護すると約束したのであるが、実際にはその保護をわれわれは見出すことができなかった」
タワドロス2世は「今回発生した出来事は、すべての超えてはいけない線を越えた」との見方を表明し「この危機への対応において、無関心と怠慢が非常に明らかである」と付け加えた。
またタワドロス2世は、良好な感情を表現することは「決して十分ではないし、断固とした姿勢を示すべきである。われわれは、祖国の象徴である教会への露骨な攻撃に対抗するために、単なる言葉ではなく実際の行動を求めている」と述べた。さらに「2000年の歴史を通じて、コプト教会がこのような攻撃にさらされたことはなかった」と強調した。
また続けて「われわれは政府からの実際の対応を待っている。なぜなら、エジプトの教会はエジプト社会の一部であることから、国家は教会に責任を負っており、すべての国民に対して責任を負っているからである」と述べた。
衝突は、カリユービーヤ県(カイロの北およそ20km)のアル=フスース村で先週の金曜日に発生した宗派対立で死亡した4名のコプトの葬儀ミサの直後にカテドラルの前で発生した。この衝突により、ムスリム1名も死亡した。
(後略)
(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:三代川寛子 )
( 記事ID:29645 )