■エジプト:宗派対立および政権に対する熱狂的な抗議
2013年4月10日『アル=ハヤート』
【カイロ:本紙 ムハンマド・サラーフ】
昨日(9日)ムルスィー政権および宗派対立に反対する熱狂的な抗議が行われた。この抗議は、アル=アッバースィーヤ近郊のコプト正教総主教座周辺で発生した宗派対立事件が拡大した後、2つの道を歩んでいるように見受けられるムルスィー政権に対する圧力として行われた。
すなわち、野党勢力との亀裂を埋めるための努力の一環として、ムルスィー政権は新憲法の改正というカードを再び切った一方で、ヒシャーム・カンディール内閣の解散について言及することはなく、検事総長の任命を無効とする判決を執行することについても言及することはなかった。これら2つの案件は、真剣な議論を開始するために救国戦線が満たすべき条件としている本質的な要求である。
総主教タワドロス2世が「良好な感情だけでは不十分であり、我々は断固とした措置を必要としている」としてムルスィー政権に対して攻撃を行った後、コプトの人々の怒りを鎮めるために大統領の代表団がカテドラルを訪問した。それに伴いムルスィー大統領は「公正と平等のための国民委員会」の復活およびその活動開始を決定した。
大統領の発表によると、同委員会は「価値観の強化および市民権に関する理解を普及することを目的としており、さらに、出自、性別、宗教、信条にかかわらずエジプト国民の間に公正と平等を保証するような法的・かつ現実的な保障を供給することに貢献すること」目的としている。大統領の情報筋によると、新委員会は首相が委員長を務め、アズハルおよび教会の代表者をメンバーとし、それに加えて数名の思想家、知識人、政治家が含まれる予定である。
この大統領側の動きは実りをもたらさなかった。特に、外交関係担当大統領補佐官であるイサーム・アル=ハッダードが、死者3名、負傷者数十名を出したカテドラルの事件に関して、それを始めた責任をコプト側に帰したことで大統領の努力は失敗に終わったのである。
昨日の夕方、諸政治勢力および活動家たちは連帯の意を表するデモ行進を行った。その行進は、ラムセス広場のアル=ファトゥフ・モスクおよびコプトが多く住むシュブラー地区から始まり、カテドラルへと到着した。その後、行進はミスル・アル=ジャディーダ地区にあるアル=イッティハーディーヤ大統領宮殿へと向かった。行進の参加者たちはモルスィー大統領に反対するシュプレヒコールを繰り返し、「打倒、同胞団指導者の政権」と反復した。同様に、行進の参加者たちは政府および内務省に今回起きた事件の責任を帰した。またデモ行進は、数度にわたって警察と小競り合いになり、デモ参加者たちは「内務省は無法者」「催涙ガスでも空砲でも撃ってみろ、革命家は恐れない」といったシュプレヒコールを繰り返した。
(後略)
(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。)
この記事の原文はこちら
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:三代川寛子 )
( 記事ID:29646 )