野党各党、「議員特権法」への署名を撤回
2013年05月10日付 Zaman 紙


民族主義者行動党(MHP)に続き、共和人民党(CHP)と平和民主党(BDP)も世論で議論されている「国会議員特権法」に署名することを撤回した。これに対し公正発展党(AKP)は「我々が行った署名が正しいと信じていますし、特権法の成立も正しいことであると信じております。我々はこの署名を是とします」と発表した。

MHP会派副代表のオクタイ・ヴラル議員は、世論が反発している国会議員の特権に関する法案において、AKPが表裏のある偽善的な政策を実行しようとしていると語り、法案成立のための署名を撤回したことを明らかにした。また同議員は17時頃CHPとBDPも署名を撤回したことも発表した。

ヴラル副代表は、トルコ大国民議会(TBMM)において開いた記者会見において、世論で議論のまととなっている国会議員に関する法案について論評した。ヴラル副代表は今日の新聞紙面をかざったいくつかのニュースを引き合いに出しながら、「新聞のニュースは、全く一様に次のように伝えている:『AKP, CHP, MHPそしてBDPの会派副代表の署名とともに提出され、世論の間に議論を巻き起こしている法案の現状を報道で知ったエルドアン首相は、イスタンブルからスタッフ達に電話して法案について尋ねた。エルドアン首相は、AKPのメフメト・アリ・シャーヒン副党首とすぐに連絡をとり、「これはどういうこうことなのか?アンカラに戻り次第私が確認する」と語ったことが分かっている。シャーヒン副党首も、法案について、TBMM議長であった時に、トルコ人議員連盟がこの問題に関する法案に対し調査通達を出したこと、しかし何ら手続きは行われなかったこと、また彼自身もそのことを報道で知ったということを示しながら、その内容については知らないと述べたことが明らかとなった』。法案のなかみが成立し、法案が法制化されるようにしようとする明確な意思をもつのがAKPであるにもかかわらず、これらの報道がわざと、そして狙いを定めて行われたのは明らかである。AKPの会派代表で党首でもあるエルドアン首相はこの発言に対し、党の最高意思の合意のもと、問題の法案に署名したAKPの5つの会派副代表が、いかなる意思を代表しているのかについて世論に真摯に説明することも必要となるだろう」と語った。

■表裏のある偽善的な政策が反映

ヴラル副代表は、世論で批判され、そして国会議員に関してすすめられたあらゆるステップ(特権)が、当然のこととして議論を巻き起こすと予想されたとし、最高レベルでなされた同意および意志が無視されることは、裏表のある偽善的な政策が反映していると思われると述べ、次のように語った。「TBMM議長が最高レベルでまとめあげたと述べた意志とは、(作成のための)会議に私たちが賛同し作り上げられた法案より、エルドアン首相がクローズアップされないようにし、TBMM議長のいくつかの試みが注目されないようにし、我々が行った署名が政治戦術によって捻じ曲げられ、彼の政治目的のために利用されることである。これに対しMHPが許可することはあり得ません。このような意志によって、問題の法案に関して最高レベルで示されたこの戦略的アプローチは、国民に責任を持つMHPの態度と姿勢とは釣り合いがとれるものではなく、決して一致するものではありません。一方で最高レベルで同意されたと述べられ、他方でその代表者達によって署名された法案の付則に記された署名のどれかが戦略的政策の材料にされるよう、あなた方が工作するのは不可能です」

ヴラル副代表は、MHPがトルコの生き残りをかけたプロセスで示した態度が希薄化させられること、そしてまるで完全に個人的利益にそって政治が行われるという認識がつくられることに、さらには国民感情が無視されることを許すことはできないと述べた。ヴラル副代表は「このような考えで、問題の法案に記された我々の署名のもつ意思や目的に反する一連の展開や意義が考慮されたうえで、なされた合意の中に今後我々は加わらないことを世論に発表致します」と語った。

■ CHPとBDPも署名撤回

MHPに続いて、CHPとBDPも、世論で論争になっている国会議員に特権を与えるTBMM議員法案への署名を撤回した。

少し前にMHPのヴラル副代表がTBMMにおいて開いた記者会見で、法案から署名を撤回することを明らかにしていた。

■ AKP:署名を是とします

AKPの会派副代表のヌレッティン・ジャニクリ議員は、TBMMの議員法案にMHPが署名を撤回したことに関し、「我々は我々が行った署名が正しかったと心から信じていますし、行われた法制化も正しかったと信じています。我々は我々の署名を是とします」と語った。さらにジャニクリ議員は、MHPに続いてCHPとBDPもTBMMの議員法案の署名を撤回したことに関し、「この種の法案化は一致をみなければなりません。あるグループの署名が欠ければ、実際にTBMM議長に提出出来ないのです。野党は署名を是としませんでした。我々もこの状況を検討したいと思います」と語った。

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( 翻訳者:濱田裕樹 )
( 記事ID:29923 )