エルドアン・オバマ首脳会談、「強力なパートナー」
2013年05月17日付 Hurriyet 紙

オバマ米国大統領は、ホワイトハウスで行われた共同記者会見において、エルドアン首相について「強力なパートナー」と表現し、PKK問題解決プロセスにおける勇気ある行動に「祝福する」と述べた。


■「強力なパートナー」を祝福する

エルドアン首相もオバマ大統領の歓待に感謝し、トルコと米国が多くの問題で共通の考え方であると述べた。バラック・オバマ米国大統領とレジェップ・タイイプ・エルドアン首相の会談後、シリア問題解決について二国間で意見が一致し、両国がテロとの闘いを始めとする多くの分野で協力関係を強化することで合意したと話した。オバマ大統領が、共同記者会見で、「親愛なる友人であるエルドアン首相」と呼びかけ、エルドアン首相も同様に応えた。

■歴史的な一日

オバマ大統領とエルドアン首相は、二か国協議の前に、大統領執務室で1時間の首脳のみの会談を行った。ホワイトハウスの閣議室でプレスに非公開で2時間行われる予定であった二か国協議は、約1時間45分で終了した。ローズ・ガーデンでプレスの前に姿を現し、強力なパートナーであるというメッセージが伝えられた記者会見で、エルドアン首相は、要約すると以下のような内容を述べた。
「トルコ・米国関係において、歴史的な一日となった。歴史的な転機になったと確信している。地域的な、また、世界的な諸問題において、トルコと米国の協力関係は、平和、安寧、安全、安定により積極的に貢献していく。(シリアについて)現在まで我々が進めてきたプロセスや、今後できることを話し合った。この件について、考え方が一致していることをオバマ大統領の言葉で聞いた。シリアで流血沙汰が終結し、国民の正当な要求に応えられる新たな政権の確立について、米国と完全に意見が一致している。ここで、反体制派を支持し、アサド政権が崩壊すること、シリアがテロ組織の活動拠点になることを防ぐこと、化学兵器の使用を防ぐこと、全てのマイノリティの安全を確保することを優先して解決することを望んでいる。


■資料は共有している

(シリアの化学兵器使用に関する証拠は提出されたのか?との質問に対し、)化学兵器の問題でも、発射され、使用されたミサイルについても、すべての組織は書類も情報も互いに共有している。この問題については、もちろん共有しており、国連安保理を含む関係機関へも、時期が来たら報告することで、国民へも発表されることになる。現在、国際社会の懸念を示すためにトルコとして努力していく。米国も同様に努力すると確信しており、国連安保理やアラブ同盟やこれらに属さなくとも懸念を示す国々があり、我々はこのプロセスをより加速させるために努力している途中である。米国訪問後、私(エルドアン首相)も、外相も様々な国を訪問することで、どうしたらこのプロセスがより加速されるか、どうしたら死者が少なくすむか、シリアで民主政権が誕生するためにはどうしたらいいか、我々の懸念は、独裁政権からシリアを救うことである。もちろん、これには、ロシアや中国が我々と協力していくことが非常に重要である。


■新たな悩みを抱えることではない

トルコが、今までシリア国民に行ってきた人道支援が15億ドルに達した。我々は、シリア国民に開かれた政策として、今も続けており、今後も続ける予定である。中東地域では、そもそもイスラエルーパレスチナの関係正常化プロセスが進められており、苦労している。新たな悩みを抱えることではない。


■テロとの闘いにおいて意思は固い

トルコと米国として、共同でテロとの闘いを進めることについて、ほぼ決定している。トルコと米国は、中東からバルカン半島、地中海東部からカフカス地方まで、テロとの闘いからエネルギー安全保障まで、広範囲において協力関係を築いている。」


■桁外れの寛大さ

オバマ米国大統領は、会見で以下のように述べた。
「エルドアン首相の指示の下、トルコ国民はトルコに避難しているシリア人に対して桁外れに寛大に対応している。これは、非常に重い負担である。シリア国民に人道的支援物資を送っている国として、この負担を軽減するため、トルコを含む同地域の国々への支援を続ける。


■エルドアン首相は先頭に立っている

アサド政権に対し圧力をかけ続け、反体制派と一緒に行動する。バッシャール・アサド大統領不在の民主的なシリアへ戻ることを支える国際的な努力の中で、エルドアン首相が先頭に立っている。現政権と反体制派の代表が、来週以降にジュネーブで集合し、トルコは重要な役割を担う。エルドアン首相と私(オバマ大統領)は、バッシャール・アサド・シリア大統領が政権から引き下がるべきであるということについて、同じ考えである。この危機を解決する唯一の方法である。アサド大統領が辞任するのは、早ければ早いほどいい。本当の問題は、どのような形で行われるかである。今日もこのことについて話した。


■政権が崩壊していればよかった

アサド大統領が2年前に辞任していればよかった。アサド大統領は、自国民に発砲し、立憲政治を失った。どうなるかという質問に対し、これを議論した。もちろん、魔法のような解決策はない。シリアのような難しい地域で、シリアの暴力や異常な状況に対する魔法のような解決策はない。もしあれば、エルドアン首相や私(オバマ大統領)は、その方法でとっくに終結させていたことだろう。ジュネーブでの会談が、ロシアやシリアの全ての派閥を含む政党の代表者の参加も得て、結論に至ることができると考えている。


■(アサド大統領を)辞任させるための努力

エルドアン大統領も述べられたように、軍事、外交組織は情報を互いに共有している。しかし、シリアで何が起こっているかに関するより確実な情報を入手することが非常に重要である。化学兵器の使用は、分別のある国際社会が間違いなく反対する。シリアにある化学兵器は、長い間、我々そしてシリア周辺地域の安全保障を脅かしている。この化学兵器を安定化する形で共闘できることを望んでいる。エルドアン首相も、米国が単独で行動することでは十分でないことを分かっている。米国はこのプロセスを支持しており、私は、外交・軍事分野において更なる一歩を踏み出すことについて、今は沈黙を保つ。

■イスラエルにとってもトルコにとっても有益

トルコとイスラエルの関係正常化プロセスが、トルコにとってもイスラエルにとっても有益である。独立したパレスチナ国家を含む2国家の解決の進展について、我々に協力してくれるだろう。


■解決プロセスに協力

長い間トルコを悩ませてきたPKKの暴力に対し、歴史的かつ平和的な解決策を模索しているトルコ国民の勇気に賞賛の意を表す。米国は、長期間にわたり安全を確保するために模索しているトルコを支持している。トルコの、法による支配、素晴らしい統治や人権の保護に向けての努力に協力する。


■ガザやヨルダン川西岸地区

(ガザ訪問についての質問に対し、)現時点では、6月中に訪問の可能性がある。ガザとヨルダン川西岸地区を訪問する予定。中東和平において、この訪問をとても重要なものだと考えている。あるグループが独り占めするというようなことはありえない。パレスチナ和解プロセスにも貢献したいと思っている。今回の訪問でも、このプロセスに貢献できるようにしたい。ガザ訪問が、パレスチナ及びイスラエル関係に重要な貢献になると確信している。アゼルバイジャン、アルメニア、イラン、アフガニスタンなどでの問題に関わってきた。テロに対し、共闘を続けていく、この中で、軍需産業に関する問題にも関わった。米国とトルコの間に歴史的な一日、歴史的な転機を迎えたと確信している。」

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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:29988 )